-
他者・死者たちの近代
¥3,520
ISBN: 978-4-901510-95-0 内容紹介 合理的な考え方では捉えきれない戦争や宗教、他者や死者の問題に、仏教を基底とする近代日本の思想はどのようかかわってきたのか。これからを生きる思想を作るために、仏教を含む斬新で総合的な日本思想史の構築をめざす。 目次 序章 思想史の深層 Ⅰ 国家と宗教 1 近代日本の国家と仏教 2 戦前における神道研究—宮地直一を中心に— Ⅱ 戦争と哲学/宗教 1 天皇主義と仏教 2 鈴木大拙の霊性論と戦争批判 3 戦時下京都学派と東洋/日本 Ⅲ 死者と関わる 1 戦争の死者の慰霊と宗教 2 死者と向き合う仏教の可能性 3 死者と共に闘う——上原専禄 4 死者から出発する哲学 Ⅳ 文学における他者 1 芥川龍之介の中国 2 川端康成とまなざしの美学 3 心霊世界と現実世界—宮沢賢治、二つの『銀河鉄道の夜』の間— Ⅴ 他者と周縁 1 女性の目ざめと禅——平塚らいてう 2 偽史と東北——『東日流外三郡誌』 3 理解と誤解——異文化間相互思想理解の可能性 4 思想と思想史——中国・台湾の問題提起を承けて あとがき 初出一覧 著者略歴 末木 文美士【著】 1949年、山梨県甲府市に生まれる。1978年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。現在、国際日本文化研究センター教授。東京大学名誉教授。専攻、仏教学、日本思想史、日本宗教史。仏教を含めた総合的な日本思想史・日本宗教史の解明をめざすとともに、その基盤の上に、仏教を生きた思想として再構築し、現代の哲学や倫理学の問題への新しいアプローチを模索している。 著書に、『近代日本の思想再考1・明治思想家論』『近代日本の思想再考2・近代日本と仏教』『思想としての仏教入門』『鎌倉仏教展開論』(トランスビュー)、『日本仏教史—思想史としてのアプローチ』(新潮社)、『日本宗教史』『解体する言葉と世界—仏教からの挑戦』『「碧巌録」を読む』(共に岩波書店)、『仏教VS倫理』(筑摩書房)、『鎌倉仏教形成論—思想史の立場から』(法蔵館)など。編著書に『日本の仏教』第1期・第2期(法蔵館)、『岩波仏教辞典』第2版、『岩波講座 宗教』、『現代語訳 碧巌録』(上・中・下、岩波書店)ほか多数。
-
義経の東アジア
¥2,640
ISBN: 978-4-16-813091-5 内容紹介 〈源平合戦の勝敗は、黄金と銭が決した!〉 なぜ、奥州藤原氏は義経をかくまったのか。 なぜ、平清盛は福原に遷都したのか。 なぜ、頼朝は弟義経を殺したのか。 十二世紀、中国大陸の宋と金の興亡が、日本へ膨大な富をもたらし、平氏政権を生んだ。 対外貿易に依存する「開国派」の平氏と奥州藤原氏に対して、農本主義に徹して強固な軍事組織を築いた「鎖国派」源頼朝。 東アジアの富と思想の往来、社会経済の転換から、源義経が生きた源平内乱期を俯瞰的に捉え直す。 巻末には、小島氏、保立道久氏(日本中世史)、加藤陽子氏(日本近現代史)との座談会「『新しい時代区分』が必要だ」を特別収録。 従来の枠組にとらわれず、日本の歴史を文明史的視点で再構成する。
-
仏教と西洋の出会い
¥5,060
ISBN: 978-4-901510-93-6 内容紹介 仏教は、近代科学と両立可能な唯一の宗教である。— アルバート・アインシュタイン ブッダは実際には哲学を提唱しているのではない。彼は人間に挑戦状を突きつけているのだ。—カール=グスタフ・ユング 仏教と西洋の出会いは、二十世紀のもっとも有意義な出来事である。— アーノルド・トインビー 西洋にとって、ときに恐怖の的となり、ときに希望や幻想の対象となった仏教とは何だったのか。 仏教の誤解と理解のドラマを描く、古代から21世紀までの壮大な通史。 目次 日本語版への序文 序 論 西欧における仏教の浸透/断続的な「出会い」の歴史/「解釈された仏教」と「本当の仏教/仏教の成功と西洋の三大「抑圧」 第Ⅰ部 幻想の誕生—古代、中世、ルネサンス、前近代— 第一章 仏教はギリシャとインドをつないだか 直接の影響か、たんなる相似か/海を渡って扶桑の国へ/古代人の幻想のインド 第二章 中世の旅行者たち マルコ・ポーロが伝えたブッダの伝記/キリスト教版ブッダ伝/福音の理想としての仏教僧院 第三章 中世のチベット神話 神秘、黄金、性的自由 第四章 宣教師たちによる発見 十六世紀から十八世紀まで 「神なき宗教」の繊細さ/宗教論争に仏教を利用する 第五章 「ラマ教」の幻惑 一六二〇年から一八五〇年まで 「黄色い教会」/ユック神父の旅行記 第Ⅱ部 仏教の発見 一七八〇年から一八七五年まで 第一章 「東洋ルネサンス」 『アヴェスタ』と『バガヴァッド・ギーター』の翻訳/ロマン主義者のインド/ヒンドゥー教を通して見た仏教/学問的研究の進展 第二章 キリスト教の強敵 仏教とキリスト教の驚くべき相似/「近代的」仏教と「教条的」キリスト教 第三章 ショーペンハウアーと「仏教厭世主義」 『意志と表象としての世界』をめぐって/ショーペンハウアーは仏教哲学者か/「仏教厭世主義」という誤解 第四章 ニーチェと「仏教虚無主義」 キリスト教に対抗する盟友/仏教との決別 著者略歴 フレデリック・ルノワール【著】 1962年生まれ。スイスのフリブール大学で哲学を専攻。雑誌編集者、社会科学高等研究院(EHESS)客員研究員などを経て、ルモンド紙が発行する『宗教の世界』誌編集長をつとめる。邦訳書に『チベット真実の時Q&A』(二玄社)。2010.07.19付の「朝日新聞」記事によると、近著『Comment Jesus est devenu Dieu』(イエスはいかに神になったか)は、フランスのベストセラーリスト入りしている。 今枝 由郎【翻訳】 1947年生まれ。1974年にフランス国立科学研究センター(CNRS)研究員となり、91年より同研究ディレクター、現在に至る。専門はチベット歴史文献学。著書に『ブータンに魅せられて』(岩波新書)、『ブータン仏教から見た日本仏教』(NHKブックス)訳書に『ダライラマ 幸福と平和への助言』(トランスビュー)などがある。 富樫 瓔子【翻訳】 1959年生まれ。 日本女子大学文学部卒業。日本近代文学館に勤務のかたわら、フランス語の翻訳に携わる。『ブッダの生涯』(J.ボワスリエ)、『死の歴史』(M.ボヴェル、共に創元社「知の再発見双書」)、『ブッダの教え—初期経典をたどって—』(A.バロー、大東出版社)などの訳書がある。
-
土井敏邦・ドキュメンタリーDVD-BOX『届かぬ声−パレスチナ・占領と生きる人びと』1〜3[DVD]土井敏邦・ドキュメンタリーDVD-BOX『届かぬ声?パレスチナ・占領と生きる人びと』1?3[DVD]
¥14,850
ISBN: 978-4-901510-81-3 目次 監督・撮影・編集●土井敏邦 製作●山上徹二郎 編集●秦 岳志 整音●小川 武 通訳・コーディネーター●Imad Edin・井上文勝 翻訳●Haitham Shammaa・Hwaida Sweilem・Raouf Ahram・Ahmad Saeid・伊藤圭子 写真・映像提供●NGO沈黙を破る・イスラエル国会チャンネル99・樋口直樹 製作協力●「土井敏邦 パレスチナ記録の会」支援者の皆さん 製作・配給●シグロ 2009年/日本 DVD規格●本編合計372分/カラー/MPEG-2/4:3 スタンダードサイズ/片面2層ディスク 字幕●日本語字幕(on/offなし)/英語字幕(on/offなし) 音声●主音声:英語・アラビア語(ステレオ) 映像特典●劇場版予告編 封入特典●解説パンフレット 購入特典●「沈黙を破る」劇場用パンフレットプレゼント※初回出荷400セット限定、BOXに封入のハガキにてお申込みください。折返しご郵送します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 土井敏邦監督が、17年に渡って撮影したシリーズ「届かぬ声−パレスチナ・占領を生きる人々」の第1部〜第3部。第4部の、2009年度キネマ旬報文化映画部門ベスト1の『沈黙を破る』(ISBN:978-4-901510-80-6)は単独で発売中。 第1部 『ガザ 「和平合意」はなぜ崩壊したのか』(本編125分) 1993 年の「和平合意」が、パレスチナ人住民の真の平和につながらなかった現実とその原因を、ガザ地区最大の難民キャンプ・ジャバリアに住むある家族の6年間の生活を通して描く。 第2部 『侵蝕—イスラエル化されるパレスチナ』(本編121分) 家屋を破壊され居住権を奪われるエルサレムのパレスチナ人住民たち。“分離壁”によって土地と資源を侵蝕され、国家建設の基盤を失っていく人びとの現実とその苦悩。 第3部 『2つの“平和” 自爆と対話』(本編126分) 自爆攻撃に走ったパレスチナ人青年の遺族の証言、自爆テロの犠牲となった少女の両親や生還した女性兵士と家族を通して、対話を試みるイスラエル人・パレスチナ人双方の平和観の断層を描く。 著者略歴 土井 敏邦【著】 1953年、佐賀県生まれ。1985年よりパレスチナ・イスラエルの問題にかかわる。ドキュメンタリー映像『ファルージャ 2004年4月』のほか、NHKや民放で数多くのドキュメンタリー番組も手掛けている。 主な著書に、『占領と民衆—パレスチナ』(晩聲社)、『「和平合意」とパレスチナ』(朝日選書)、『アメリカのユダヤ人』『現地ルポ パレスチナの声、イスラエルの声』『沈黙を破る—元イスラエル軍将兵が語る“占領”』『ガザの悲劇は終わっていない』(いずれも岩波書店)など多数。
-
ガザ 「和平合意」はなぜ崩壊したのか (土井敏邦・ドキュメンタリー「届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人びと」1)[DVD]【ライブラリー版】
¥22,000
ISBN: 978-4-901510-86-8 内容紹介 □無償による次の行為を許諾するライブラリー版です。 (許諾票がパッケージに添付されています) ・個人への施設外貸出 ・購入施設内での個人視聴 ・購入施設内での上映 □1993 年の「和平合意」が、パレスチナ人住民の真の平和につながらなかった現実とその原因を、ガザ地区最大の難民キャンプ・ジャバリアに住むある家族の6年間の生活を通して描く。 著者略歴 土井 敏邦【著】 [監督]土井敏邦(ドイ トシクニ) 1953年佐賀県生まれ。1985年よりパレスチナ・イスラエルの問題にかかわる。ドキュメンタリー映像『ファルージャ 2004年4月』のほか、NHKや民放で数多くのドキュメンタリー番組も手掛けている。著書に、『占領と民衆—パレスチナ』(晩聲社)、『「和平合意」とパレスチナ』(朝日選書)、『アメリカのユダヤ人』『現地ルポ パレスチナの声、イスラエルの声』『沈黙を破る—元イスラエル軍将兵が語る“占領”』『ガザの悲劇は終わっていない』(いずれも岩波書店)など多数。
-
侵蝕—イスラエル化されるパレスチナ (土井敏邦・ドキュメンタリー「届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人びと」2)[DVD]【ライブラリー版】
¥22,000
ISBN: 978-4-901510-87-5 内容紹介 □無償による次の行為を許諾するライブラリー版です。 (許諾票がパッケージに添付されています) ・個人への施設外貸出 ・購入施設内での個人視聴 ・購入施設内での上映 □再生時間:121分 □製作年:2009年 □家屋を破壊され居住権を奪われるエルサレムのパレスチナ人住民たち。“分離壁”によって土地と資源を侵蝕され、国家建設の基盤を失っていく人びとの現実とその苦悩。 著者略歴 土井 敏邦【著】 [監督]土井敏邦(ドイ トシクニ) 1953年佐賀県生まれ。1985年よりパレスチナ・イスラエルの問題にかかわる。ドキュメンタリー映像『ファルージャ 2004年4月』のほか、NHKや民放で数多くのドキュメンタリー番組も手掛けている。著書に、『占領と民衆—パレスチナ』(晩聲社)、『「和平合意」とパレスチナ』(朝日選書)、『アメリカのユダヤ人』『現地ルポ パレスチナの声、イスラエルの声』『沈黙を破る—元イスラエル軍将兵が語る“占領”』『ガザの悲劇は終わっていない』(いずれも岩波書店)など多数。
-
二つの“平和” 自爆と対話 (土井敏邦・ドキュメンタリー「届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人びと」3)[DVD]【ライブラリー版】
¥22,000
ISBN: 978-4-901510-88-2 内容紹介 □無償による次の行為を許諾するライブラリー版です。 (許諾票がパッケージに添付されています) ・個人への施設外貸出 ・購入施設内での個人視聴 ・購入施設内での上映 □自爆攻撃に走ったパレスチナ人青年の遺族の証言、自爆テロの犠牲となった少女の両親や生還した女性兵士と家族を通して、対話を試みるイスラエル人・パレスチナ人双方の平和観の断層を描く。 著者略歴 土井 敏邦【著】 [監督]土井敏邦(ドイ トシクニ) 1953年佐賀県生まれ。1985年よりパレスチナ・イスラエルの問題にかかわる。ドキュメンタリー映像『ファルージャ 2004年4月』のほか、NHKや民放で数多くのドキュメンタリー番組も手掛けている。著書に、『占領と民衆—パレスチナ』(晩聲社)、『「和平合意」とパレスチナ』(朝日選書)、『アメリカのユダヤ人』『現地ルポ パレスチナの声、イスラエルの声』『沈黙を破る—元イスラエル軍将兵が語る“占領”』『ガザの悲劇は終わっていない』(いずれも岩波書店)など多数。
-
沈黙を破る(土井敏邦・ドキュメンタリー「届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人びと」4)[DVD]
¥5,060
ISBN: 978-4-901510-80-6 内容紹介 ☆2009年度(第83回)キネマ旬報ベスト・テン 文化映画部門 第1位 ☆2009年度日本映画ペンクラブ会員選出・文化映画ベスト1 ☆第9回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞受賞 監督・撮影・編集●土井敏邦 製作●山上徹二郎 編集●秦 岳志 整音●小川 武 通訳・コーディネーター●Imad Edin・井上文勝 翻訳●Haitham Shammaa・Hwaida Sweilem・Raouf Ahram・Ahmad Saeid・伊藤圭子・今井 功 写真・映像提供●NGO沈黙を破る・イスラエル国会チャンネル99・樋口直樹 製作協力●「土井敏邦 パレスチナ記録の会」支援者の皆さん 製作・配給●シグロ 2009年/日本 DVD規格●本編130分/カラー/MPEG-2/4:3 スタンダードサイズ/片面2層ディスク 字幕●日本語字幕(on/offなし)/英語字幕(on/offなし) 音声●主音声:英語・アラビア語(ステレオ) 映像特典●劇場版予告編 封入特典●解説リーフレット(26ページ,土井敏邦監督×臼杵陽氏(日本女子大学教授)対談等を収録) 2002年春、バラータ難民キャンプはイスラエル軍に包囲・攻撃された。恐怖の中で生きるその住民の生活と心情をカメラが追う。また猛攻撃で破壊・殺戮されたジェニン難民の絶望的な状況を描き、“占領”の現実を伝える。 その一方、元イスラエル軍将兵たちのグループ「沈黙を破る」は、占領地での兵役の中で“倫理・道徳観”が麻痺し、人間性を喪失していく恐怖感を告白する。それはまたイスラエル社会のモラル、国家の倫理的な基盤をも破壊してしまう危機感からだった。 元将兵たちの証言や家族の戸惑いと反発を描きながら、“占領”がイスラエル社会に落とす深い影を問いかける。 −−−−−−−−−−−−−−− ※本作品は、土井敏邦監督が、17年に渡って撮影したシリーズ「届かぬ声−パレスチナ・占領を生きる人々」の第四部にあたる作品です。 第1部から3部(『ガザ—「和平合意」はなぜ崩壊したのか』『侵蝕—イスラエル化されるパレスチナ』『2つの“平和”—自爆と対話』は、『土井敏邦・ドキュメンタリーDVD-BOX「届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人々」』として、2010年5月に発売予定です。) ※第1部から4部は、それぞれ独立した作品として鑑賞できます。 著者略歴 土井 敏邦【著】 1953年、佐賀県生まれ。1985年よりパレスチナ・イスラエルの問題にかかわる。ドキュメンタリー映像『ファルージャ 2004年4月』のほか、NHKや民放で数多くのドキュメンタリー番組も手掛けている。 主な著書に、『占領と民衆—パレスチナ』(晩聲社)、『「和平合意」とパレスチナ』(朝日選書)、『アメリカのユダヤ人』『現地ルポ パレスチナの声、イスラエルの声』『沈黙を破る—元イスラエル軍将兵が語る“占領”』『ガザの悲劇は終わっていない』(いずれも岩波書店)など多数。
-
沈黙を破る (土井敏邦・ドキュメンタリー「届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人びと」4)[DVD]【ライブラリー版】
¥22,000
ISBN: 978-4-901510-85-1 内容紹介 □無償による次の行為を許諾するライブラリー版です。 ・個人への施設外貸出 ・購入施設内での個人視聴 ・購入施設内での上映 ------------------------------------------------- ☆2009年度(第83回)キネマ旬報ベスト・テン 文化映画部門 第1位 ☆2009年度日本映画ペンクラブ会員選出・文化映画ベスト1 ☆第9回石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞受賞 監督・撮影・編集●土井敏邦 製作●山上徹二郎 編集●秦 岳志 整音●小川 武 通訳・コーディネーター●Imad Edin・井上文勝 翻訳●Haitham Shammaa・Hwaida Sweilem・Raouf Ahram・Ahmad Saeid・伊藤圭子・今井 功 写真・映像提供●NGO沈黙を破る・イスラエル国会チャンネル99・樋口直樹 製作協力●「土井敏邦 パレスチナ記録の会」支援者の皆さん 製作・配給●シグロ 2009年/日本 DVD規格●本編130分/カラー/MPEG-2/4:3 スタンダードサイズ/片面2層ディスク 字幕●日本語字幕(on/offなし)/英語字幕(on/offなし) 音声●主音声:英語・アラビア語(ステレオ) 映像特典●劇場版予告編 封入特典●解説リーフレット(26ページ,土井敏邦監督×臼杵陽氏(日本女子大学教授)対談等を収録) 2002年春、バラータ難民キャンプはイスラエル軍に包囲・攻撃された。恐怖の中で生きるその住民の生活と心情をカメラが追う。また猛攻撃で破壊・殺戮されたジェニン難民の絶望的な状況を描き、“占領”の現実を伝える。 その一方、元イスラエル軍将兵たちのグループ「沈黙を破る」は、占領地での兵役の中で“倫理・道徳観”が麻痺し、人間性を喪失していく恐怖感を告白する。それはまたイスラエル社会のモラル、国家の倫理的な基盤をも破壊してしまう危機感からだった。 元将兵たちの証言や家族の戸惑いと反発を描きながら、“占領”がイスラエル社会に落とす深い影を問いかける。 −−−−−−−−−−−−−−− ※本作品は、土井敏邦監督が、17年に渡って撮影したシリーズ「届かぬ声−パレスチナ・占領を生きる人々」の第四部にあたる作品です。 第1部から3部(『ガザ—「和平合意」はなぜ崩壊したのか』『侵蝕—イスラエル化されるパレスチナ』『2つの“平和”—自爆と対話』は、『土井敏邦・ドキュメンタリーDVD-BOX「届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人々」』として、2010年5月に発売予定です。) ※第1部から4部は、それぞれ独立した作品として鑑賞できます。 著者略歴 土井 敏邦【著】 1953年、佐賀県生まれ。1985年よりパレスチナ・イスラエルの問題にかかわる。ドキュメンタリー映像『ファルージャ 2004年4月』のほか、NHKや民放で数多くのドキュメンタリー番組も手掛けている。 主な著書に、『占領と民衆—パレスチナ』(晩聲社)、『「和平合意」とパレスチナ』(朝日選書)、『アメリカのユダヤ人』『現地ルポ パレスチナの声、イスラエルの声』『沈黙を破る—元イスラエル軍将兵が語る“占領”』『ガザの悲劇は終わっていない』(いずれも岩波書店)など多数。
-
事象そのものへ![新装復刊]
¥1,980
ISBN: 978-4-901510-78-3 内容紹介 結晶のような「考える文章」— 思考の発生と運動を、非人称かつ詩的な言葉で刻みつけ、 天才の登場を鮮烈に告げた記念碑的作品。 哲学の巫女・池田晶子の仕事はここに始まる! *本書は、1991年7月刊行に法藏館書店より刊行された 『事象そのものへ!』(ISBN: 4831871850)の新装版です。 刊行に際し再度の校訂をなし、著作一覧・略歴を付しました。 目次 序 哲学の開放「知識人」批判から Ⅰ 事象そのものへ! 存在の律動〔論理〕 清冽なる詐術〔詩〕 未知への帰還〔科学〕 変幻と貫くもの〔心理〕 発現する消失点〔神〕 Ⅱ応用篇 非‐女権思想 禅についての禅的考察 あとがき 著者略歴 池田 晶子【著】 1960年生まれ。慶應大学文学部哲学科卒業。専門用語による「哲学」についての論ではなく、哲学するとはどういうことかを日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る。著書に『14歳からの哲学』『あたりまえなことばかり』『人生のほんとう』『リマーク1997-2007』『魂とは何か』(トランスビュー)『新・考えるヒント』『オン!—埴谷雄高との形而上対話』(講談社)『41歳からの哲学』(新潮社)ほか多数の著作を残し、2007年2月23日死去。
-
百年後に漱石を読む
¥3,080
ISBN: 978-4-901510-76-9 内容紹介 『それから』の三千代の顔色は、なぜ赤くなったり蒼くなったりするのか。『門』の宗助が取り戻したかったものとは。『心』の三人にはなぜ名前がないのか。『吾輩』が鼠を取らないと決心した訳は、そして迷亭はなぜ法螺ばかり吹くのか。斬新な読みを展開する文学批評の冒険。 目次 Ⅰ モナ・リザと吸血鬼 『それから』を循環する血と金 1 「宿命の女」 2 那美という形象 3 三千代の顔色 4 スパーマティック・エコノミー 5 白百合の香を嗅ぐ 6 禁じられた男性間エロス 7 神経衰弱と変質論 8 自慰の問題の核心 9 夢の中で逢う 10 愛するのは心か脳か Ⅱ エロスの変容 『門』のホモソーシャルな欲望 1 身体の近代化 2 泥棒のモチーフ 3 喪われた絆を求めて 4 宗助が盗んだもの 5 夜の冒険者たち 6 落魄の予感 7 他者としての女 8 現在を呪う過去 Ⅲ もう一つの聖書物語 『心』における血の盟約 1 鮮烈な赤 2 なぜキリスト教なのか 3 血のメタファーの変転 4 ワイルドの「イエス論」 5 三人には名前がない 6 室内空間の構造 7 三角関係の解剖学 8 童話「漁師とその魂」 9 転倒する主体と客体 10 同性愛エロスの発動 11 Kの「復活」 12 名辞の彼方へ Ⅳ 作家の誕生 『吾輩は猫である』の虚と実 1 講義と実作の同時進行 2 苦沙弥の写生画はなぜ失敗したか 3 固有名の虚構の逆説 4 滑稽と諷刺の源泉 5 分身としての苦沙弥と迷亭 6 虚構とリアルの関係 7 危うく名付けられかけた猫 8 なぜ鼠を取らないのか 9 ファルスとしての博士号 10 鉄の男と山の芋 11 寒月の真意と両義性 12 禿を隠す女たち 13 衣服という記号 14 古井武右衛門君の艶書事件 15 夏目漱石の誕生 あとがき 著者略歴 宮崎 かすみ【著】 宮崎かすみ(みやざき かすみ) 1961年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。専攻、英文学・思想史。横浜国立大学を経て2009年4月より和光大学表現学部教授。編著書に『差異を生きる—アイデンティティの境界を問いなおす—』(明石書店)、訳書にアルベルト・メルッチ『現在に生きる遊牧民—新しい公共空間の創出に向けて—』(岩波書店、共訳)などがある。
-
河合隼雄 心理療法家の誕生
¥3,080
ISBN: 978-4-901510-75-2 内容紹介 この見事な半生をアレンジしたものは誰か? 生まれ育った丹波篠山から、アメリカ・UCLA、さらにはチューリッヒ・ユング研究所へ。日本人初のユング派資格を持つ分析家が誕生するまでを、ともに物語をつむいだ編集者が活きいきと描く。 目次 序章 物語のはじまり 1 ある新書の依頼 2 的中した戦略 第一章 丹波篠山に生まれて 1 両親の人となりと弟の死 2 篠山、少年たちの宇宙 3 中学時代の本との出会い 4 陸軍士官学校を断り神戸工専へ 5 京大数学科のころ 6 ロマン主義、フロイト、漱石 7 高校教師志望と元祖「河合塾」 第二章 心理学者への道 1 立身出世主義でなく 2 教師兼大学院生 3 ロールシャッハ・テストから臨床心理学へ 4 ロジャーズのカウンセリング 5 アメリカ留学の決心 6 「ロールシャッハの鬼」 7 演劇と音楽を楽しむ 第三章 アメリカの体験 1 英語の特訓 2 クロッパーの背後にユングがいる 3 分析料は一ドル 4 奇跡的な道筋 5 リサーチ・アシスタントとして 6 現象学的方法 7 シンクロニシティの考え方 8 カルチャー・ショック 9 異文化理解の重要性 第四章 ユング研究所の日々 1 家一軒分の旅費 2 スイスの田舎暮らし 3 マイヤー先生の言葉 4 フォン・フランツの昔話の講義 5 精神分析の風土 6 ヴァン・デル・ポストの小説 7 スーパーバイザーにつく 8 知識の伝授ではない 9 さまざまなクライアント 10 ニジンスキー夫人に日本語を教える 11 ディールスドルフ村の「ペンション河合」 12 大きな影響を受けた本 第五章 西欧と日本—神話研究に向けて 1 日本神話を英語で書く 2 アマテラスの誕生とスサノヲの追放 3 世界の始まりとイザナギの魔術的逃走 4 スサノヲの冒険 5 「太陽の女神」の比較神話学 6 トライアッドの構造と「太陽と月」 7 男性と女性 8 女性性の探求 9 対決と妥協 10 四十年の熟成 終 章 新たな物語のはじまり 1 箱庭療法の紹介 2 口頭試問の波瀾 3 生き方のレベルの体験 4 心理療法の核心 5 約束を実行する あとがき 人名索引 著者略歴 大塚 信一【著】 1939年、東京に生まれる。63年、国際基督教大学卒業。同年、株式会社岩波書店入社。雑誌『思想』編集部をスタートに、岩波新書(青版・黄版)、「岩波現代選書」「叢書・文化の現在」「新講座・哲学」「河合隼雄著作集」など数々のシリーズ・講座・著作集を世に送る。また84年、編集長として季刊誌『へるめす』(編集同人:磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、中村雄二郎、山口昌男)を創刊、学問・芸術・社会にわたる知の組み換えと創造を図る。97年〜2003年、代表取締役社長。現在、つくば伝統民家研究会(古民家再生コンサルティング、古材等販売)代表、社会福祉法人日本点字図書館理事、東アジア出版人会議理事。著書に『理想の出版を求めて‐一編集者の回想1963-2003』『山口昌男の手紙−文化人類学者と編集者の四十年』『哲学者・中村雄二郎の仕事−<道化的モラリスト>の生き方と冒険 』(いずれもトランスビュー)がある。
-
この一身は努めたり
¥3,080
ISBN: 978-4-901510-74-5 内容紹介 ただひたすらに励んだ歌人・上田三四二。 短歌のみならず小説、評論、伝記、エッセイへと活躍の場を広げ、数多くの栄誉に包まれた生の核心には、しかし一つの謎があった。 奥底に鎮められたある「断念」に迫りつつ、その文学的営為の全貌を描く。 目次 第一章 上田三四二という問題 一九八九年一月八日 さまざまな追悼 病と死生観 西行から道元へ 麻酔からさめて わが方法の痼疾 永遠と一瞬 第二章 短歌と批評の関係 戦争中のとまどい 短歌という選択 『黙契』の謎 現実との不調和 現代詩との断層 批評の根底 塚本邦雄との応酬 短歌原論としての『現代歌人論』 「逆縁」のできばえ 「斎藤茂吉論」の特異さ 第三章 歌人の誕生 なぜ東京に移り住んだのか 「詩的思考」とは何か 頑固な美意識とその裏側 批評という問題 理念と現象 『雉』という第二歌集 身体への視線 「夫の文学」から「父親の文学」へ 媒介としての庄野潤三 自然の回復 自然という胎内 短歌への沈潜 歌人としての再出発 『湧井』のもつ磁場 時間の推移に身を任せ より穏やかに、より普通に、より平凡に 第四章 短歌と小説の関係 『うつしみ』の語るもの 市川浩の身体論 細部に向かって 「私性」と私小説 長編短歌としての小説 上田のスタイル 願望小説集『花衣』 目的化する描写 教養小説の一変種 野心と隠遁 到達点の「冬暦」 本当の歌人になりたい エロスと死の翳 論じにくい理由 第五章 円熟の核心 陽光のなかの『遊行』 至福のひととき 描写するよろこび 佐太郎と柊二 観賞家 文学を楽しむ 赤彦と千樫 『つきかげ』をめぐって 第六章 一身は努めたり 生命への慈しみ 澄むことの徹底化 「私」と世界との融合 死に臨む態度 病に耐える 幼子のいる風景 夢 なんとか生きたい 日本語の底荷 一身は努めたり 上田三四二年譜 あとがき 著者略歴 小高 賢【著】 1944年、東京の下町に生まれる。慶應義塾大学卒業。編集者として馬場あき子に出会い、78年「かりん」創刊に参加。現在、「かりん」選歌委員。『本所両国』で第五回若山牧水賞受賞。著書に歌集『耳の伝説』『家長』『太郎坂』『本所両国』(雁書館)、『小高賢歌集』(現代短歌文庫20)『怪鳥の尾』(砂子屋書房)、『液状化』(ながらみ書房)、『小高賢作品集』(柊書房)、『眼中のひと』(角川書店)、批評『宮柊二とその時代』(御柳書院)、『転換期と批評』(柊書房)、入門書『現代短歌作法』(新書館)、編著『現代短歌の鑑賞101』『近代短歌の鑑賞77』(新書館)などがある。
-
魂とは何か
¥1,650
ISBN: 978-4-901510-73-8 内容紹介 その人はなぜその人なのか?〈魂〉と名付けた不思議な気配を、哲学が辿りついた感じる文体で語り出す。 旧版『魂を考える』(1999年、法藏館刊)を大幅増補改訂。『私とは何か』(講談社刊)『死とは何か』(毎日新聞社刊)と共に著者の思索を凝縮する。 目次 Ⅰ魂を考える ポスト・オウムの〈魂〉のために 〈魂〉の考え方 〈魂〉の感じ方 〈魂〉の理解のしかた 少年Aとは何者か 脳死と「人の」死 〈魂〉のインフォームド・コンセント 六月の病室で 何が生きているのか 読者からの手紙 Ⅱその人を考える 埴谷雄高と大森荘蔵 大森荘蔵氏の印象 思索的想像力の形式について—埴谷雄高氏 般若豊さんのこと 情熱の形而上学—井筒俊彦氏 藤澤令夫氏のこと 哲学者・藤澤令夫さんを悼む 古い名前—中村元氏 新聞記者 普通のような普通でない人 いつもいつも一緒だった 犬の力ふたたび Ⅲ魂を語る文体は ある人がその人である、という問い 考える不思議、「常識」の不思議 古い言葉を想う Ⅳ魂の〈私〉を生きてゆく センチメント 天才の生き方について あとがき(旧版『魂を考える』より) 初出一覧 池田晶子・略譜 池田晶子・著作一覧 著者略歴 池田 晶子【著】 池田晶子(いけだ あきこ) 1960年生まれ。慶應大学文学部哲学科卒業。専門用語による「哲学」についての論ではなく、哲学するとはどういうことかを日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る。著書に『14歳からの哲学』『あたりまえなことばかり』『人生のほんとう』『リマーク1997-2007』(トランスビュー)『新・考えるヒント』『オン!—埴谷雄高との形而上対話』(講談社)『41歳からの哲学』(新潮社)ほか多数の著作を残し、2007年2月23日死去。
-
花はどこへいった ベトナム戦争のことを知っていますか[DVD]
¥4,180
ISBN: 978-4-901510-71-4 内容紹介 夫、グレッグはなぜ突然死んだのか。深まる枯葉剤への疑い、ベトナムで見た被害者たちの懸命で胸打つ生活。毎日映画コンクール・ドキュメンタリー映画賞など受賞。 (日本/2006年/本編71分+特典15分/日本語字幕/視聴 覚障害に対応したバリアフリー再生機能付) ◇非営利上映等が許諾されたライブラリー版は、20,000円 著者略歴 坂田 雅子【著】 1948年、長野県生まれ。65年から66年、AFS交換留学生として米国メイン州の高校に学ぶ。帰国後、京都大学文学部哲学科で社会学を専攻。70年にグレッグ・デイビスと出会い、結婚。写真家としてのグレッグの仕事を手伝うかたわら、76年から、写真通信社インペリアル・プレス勤務。95年、社長に就任。98年にIPJを設立し社長となる。2003年のグレッグの死をきっかけに、枯葉剤についての映画製作を決意し、米国メイン州のフィルム・ワークショップでドキュメンタリー映画制作の基礎を学ぶ。04年から06年、ベトナムと米国で、枯葉剤の被害者やその家族、ベトナム帰還兵、科学者等にインタビュー取材を行う。2007年、坂田雅子製作・監督・撮影・編集で、映画『花はどこへいった』(英語タイトル『Agent Orange -a personal requiem-』)を完成させる。著書に、映画にもとづく同名のノンフィクション「花はどこへいった 枯葉剤を浴びたグレッグの生と死」(トランスビュー)。
-
花はどこへいった ベトナム戦争のことを知っていますか[DVD]【ライブラリー版】
¥22,000
ISBN: 978-4-901510-72-1 内容紹介 □無償による次の行為を許諾するライブラリー版です。 ・個人への施設外貸出 ・購入施設内での個人視聴 ・購入施設内での上映 ----------------------- 企画・制作・発行/シグロ 発売/トランスビュー ----------------------- ☆岩波ホール(2008年6月)ほか全国劇場公開作品 ☆第26回 国際環境映画祭(26e Festival International du Filmd'Environnement)・審査員特別賞受賞 ☆アース・ビジョン第17回地球環境映像祭・環境映像部門入賞 ☆第63回 毎日映画コンクール・ドキュメンタリー映画賞受賞 ※バリアフリー再生機能つき 製作・監督・撮影・編集●坂田雅子 共同製作●ビル・メガロス、山上徹二郎 音楽●難波正司 撮影協力●フィリップ・ジョーンズ=グリフィス(Magnum Photos) 編集協力●ジャン・ユンカーマン 制作年●日本(2007年) DVD規格●本編71分 特典映像15分/カラー/4:3 スタンダードサイズ/片面2層ディスク 字幕●日本語字幕(on/offなし)/聴覚障害者対応日本語字幕(on/offあり) 音声●日本語他(ステレオ)/視覚障害者対応日本語ガイド(on/offあり) 映像特典●坂田雅子監督・短編「Out of Time」,本編英語版同時収録/劇場予告編 封入特典●リーフレット(8ページ) 夫、グレッグはなぜ突然死んだのか。深まる枯葉剤への疑い、カメラを片手に渡ったベトナムで見た被害者たちの懸命で胸打つ生活。岩波ホールをはじめ、全国で公開され、NHKで紹介されるなど話題を呼んだドキュメンタリー。 著者略歴 坂田 雅子【著】 1948年、長野県生まれ。65年から66年、AFS交換留学生として米国メイン州の高校に学ぶ。帰国後、京都大学文学部哲学科で社会学を専攻。70年にグレッグ・デイビスと出会い、結婚。写真家としてのグレッグの仕事を手伝うかたわら、76年から、写真通信社インペリアル・プレス勤務。95年、社長に就任。98年にIPJを設立し社長となる。2003年のグレッグの死をきっかけに、枯葉剤についての映画製作を決意し、米国メイン州のフィルム・ワークショップでドキュメンタリー映画制作の基礎を学ぶ。04年から06年、ベトナムと米国で、枯葉剤の被害者やその家族、ベトナム帰還兵、科学者等にインタビュー取材を行う。2007年、坂田雅子製作・監督・撮影・編集で、映画『花はどこへいった』(英語タイトル『Agent Orange -a personal requiem-』)を完成させる。著書に、映画にもとづく同名のノンフィクション「花はどこへいった 枯葉剤を浴びたグレッグの生と死」(トランスビュー)。
-
ボクの哲学モドキ・Ⅰ 1999-2002
¥2,420
ISBN: 978-4-901510-69-1 内容紹介 ボクは大学教授。何だかエラそう。でもボクはどう生きたらいいのか分からない。男でもなく女でもなく。ウヨクでもサヨクでもない。弱肉強食の世の中で、壊れかけた秩序と混沌に翻弄され、流されながら、それでもボクは自分の足で踏ん張りたい。 目次 ●1999年 ごあいさつ 01.26 それは舞子さんからはじまった 01.2 なぜ人を殺してはいけないのか? 02.03 まんが、マンガ、漫画 02.04 北京暮らし 03.20 日本と中国の奇妙なずれ 07.07 余計者 07.12 自殺について少しだけ考える 07.20 自由人であることはとても難しい 07.24 「生きにくさ」の感覚 07.28 知識人の終焉 08.05 学者は貧しい 08.18 小林よしのりだっていいじゃないか 09.12 たまには大衆演劇でも 11.07 ボクのヰタ・セクスアリス 11.24 家庭 12.12 ●2000年 元旦に自殺を考える 01.01 元旦に天皇制を考える 01.01 短歌はやっぱりマイナーでいい 01.1 女になりたい 01.30 ボクの恋愛序説 03.03 とりあえずトランスジェンダー 03.10 二十世紀は終末の世紀 03.22 ボクもパラサイト・シングルだった 03.24 オウム以後 03.30 自殺について改めて考える 04.16 短歌は女性から 04.19 マゾヒズムも楽しい 05.03 生老病死 05.13 舞子さんに思う 05.26 ヘンタイのH 06.22 戦争責任をどう考えるか 06.25 舞子さんありがとう 07.25 侵略か連帯か 08.01 続・なぜ人を殺してはいけないのか? 10.06 和、ワッ、わー! 10.28 『こどものおもちゃ』は必読書 11.2 ●2001年 幕間の口上 01.01 ボクの人生は終わった 01.01 人類滅亡 01.01 天皇の戦争責任 01.01 中国のある論争 01.02 弱さからの出発 01.05 老老介護 01.11 教育勅語と浪花節 01.14 読むこと・語ること 01.14 インターネットは何をもたらすか 01.14 弱者と差別 01.27 危ないセカイに片足かけて 02.02 ストーカーにも三分の理 02.13 公共の議論は可能か 03.02 自己と他者の崩壊——川端文学から 03.03 他者への希求 04.13 霊性ということ 04.14 伝統ということ 04.20 職人的生き方 05.01 専業主婦の嘆き 05.23 『新しい歴史教科書』にどう立ち向か 06.01 父 06.10 南条あやは断然オススメ 06.15 エリート 07.02 神の国? 仏の国? 07.19 なぜ「お××こ」と言いにくいのか? 07.30 学問は何のために? 08.10 不在の他者へ 08.20 北京のバス 09.07 中国の日本マンガ 09.09 二つの正義 09.23 手話は楽しい 10.07 エセ同和 10.17 ボクの心の中にナチの狂気がある 10.22 憲法第九条を世界憲法に?! 11.16 パリ便り 12.31 ●2002年 南フランスに老学者を尋ねる 01.08 ヨーロッパ、マンガ事情 01.11 大学の終焉 01.25 歴史から抜け落ちるもの 02.02 推理小説の楽しみ 02.03 だれが弱者か 02.11 建国記念日ってなんだ 02.19 K荘時代 03.10 セクハラ論にクレーム 03.22 ボクの女性遍歴 03.26 哲学者と戦争 03.30 政治を語ろう 04.02 居場所探し 04.15 宗教は必要か 05.01 父の入院 05.07 短歌に挑戦 05.10 歌のわかれ 05.12 歌は世につれ 05.12 学問が危ない 05.28 同性愛の文化 06.08 内向の時代、といっても明治の話 06.12 伝統と哲学 06.13 ヒロシマを考える 06.21 華麗な哲学 07.13 ちょっと疲れた女たちに 07.15 倫理は超えられるか?[1]——ルールとしての倫理 07.29 倫理は超えられるか?[2]——倫理からの逸脱 08.04 死者と語る文化 08.21 「民族感情」という襞の内奥 09.02 北京漫画事情続編 09.09 被害者は誰か? 09.28 お葬式 10.03 死から死者へ 10.04 再び途上にて 10.20 怪物はどこに 11.02 ガンディー主義は成り立つか 11.07 いまなぜ〈語りえぬもの〉なのか? 11.09 楽しい春画 11.19 老いてゆく 12.01 死後をどう考えるか 12.11 著者略歴 ぶんまお【著】 1949年生まれ。某大学で教鞭をとる。アカデミズムの体系だった哲学・思想に飽き足りず、個人から出発して個であることを手放さない「哲学」実践をネットで試みる。 末木 文美士【編集】 1949年、山梨県甲府市に生まれる。1978年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻、仏教学、日本思想史、日本宗教史。仏教を生きた思想として再構築することを目指し、また仏教を含めた全体的な日本宗教史を構想、さらには現代倫理の問題までを射程に入れて、その著作は一作ごとに大きな波紋を呼び活躍が注目される。 著書に、『近代日本の思想再考1・明治思想家論』『近代日本の思想再考2・近代日本と仏教』『思想としての仏教入門』(トランスビュー)、『日本仏教史—思想史としてのアプローチ』(新潮社)、『解体する言葉と世界—仏教からの挑戦』『「碧巌録」を読む』(共に岩波書店)、『鎌倉仏教形成論—思想史の立場から』(法蔵館)、『中世の神と仏』(山川出版社)など。編著書に『日本の仏教』第1期・第2期(法蔵館)、『岩波仏教辞典』第2版、『岩波講座 宗教』、『現代語訳 碧巌録』(上・中・下、岩波書店)他多数。
-
ボクの哲学モドキ・Ⅱ 2003-2008
¥2,420
ISBN: 978-4-901510-70-7 内容紹介 自分自身から出発しながら、けっして自分を手放すことなく歴史や文化や世界を考え、アカデミズムの体系だった哲学や、普遍を目指す型にはまった哲学を拒否した、<わたくし哲学>の10年にわたる実践。 ネットで公開された思考実験の最初期からの記録。 目次 ●2003年 坐禅をしてみよう 01.14 哲学はいかに語りうるか 01.17 見てしまった不幸 01.20 研究者で生活できるのか? 02.07 クローン人間の何が問題か 02.25 戦争が近い 02.28 京都学派 03.16 戦争と平和 03.23 ナショナリズム 03.26 現象学という方法 03.27 フセインさんもかわいそう 04.04 精いっぱい生きたんだから…… 04.19 ご近所グルメ05.02 右翼に転向(?)05.08 孤立を恐れずに 05.17 政治音痴なのに…… 06.02 〈和〉はやっぱり疑問だと思う 06.02 ふたりの自殺者 06.18 ハンドルネーム 07.06 つらい事件 07.14 生・死・他者の現象学 08.16 言葉の規則はどう成り立つか 08.26 迷いながら…… 09.08 歴史の偽造 09.21 津軽で温泉にはいる 09.22 それでも死刑には反対する 10.03 大逆事件 10.11 専業主婦も大変だ 10.27 家族殺傷事件に寄せて 11.06 公明党に注目 11.10 力への欲望 11.13 家族殺傷事件もう少し 11.23 イラク派兵以後、何ができるか 12.12 偽史その後 12.25 ●2004年 自殺/殺人 01.01 哲学は何歳から? 01.02 倫理はどう成り立つのか 01.19 思想の劇画化 01.31 死と贖罪 02.15 記憶の倫理 02.29 存在より関係 02.29 危ない仏教ブーム 03.24 カラダとココロ 04.03 〝愛〟はいまどこに? 04.12 人命は軽いか? 04.13 イジメ 04.25 ヤスクニを考える 04.29 ヒロシマの風化 04.29 柳田国男と靖国神社 05.08 もう一度、ヤスクニ 05.08 聖徳太子はいなかった? 05.09 どんどんハードになってくる 06.06 少年・少女たちの戦い 06.28 タブーがなくなる 07.09 善意のナショナリズム 07.10 都会と過疎村 07.17 今、日本で哲学するということ? 07.31 決定版・ヒロシマ/ヤスクニ 08.06 マジメ人間は短歌を作る 08.10 女を支える男 08.25 靖国議論はウソが多い 08.29 仏教は甦るか 08.29 「恨」という原理 09.11 「恨」と「魔」 09.25 ファシズムはもうはじまっている 10.09 新しい文学の誕生 10.10 せつないね 10.29 さすがイギリスの伝統は違う 12.09 天皇に会ったことある! 12.10 ●2005年 元旦に上野千鶴子を読む 01.01 「読む」ことと「語る」こと 01.01 田辺元の〈死の哲学〉 01.01 高天原はどこにあるのか? 01.05 フェミニズムって没落したの? 01.11 NHK番組改編問題に寄せて 02.04 荒れる時代に 02.19 希望は持てるか 03.07 余裕がなくなる 03.23 IS 03.31 女の思想はどこが強いか 04.10 男の性はどう語られるか 05.04 ロリコン犯罪は防げるか 05.12 日韓共通歴史理解への第一歩 05.24 改めてヤスクニ 05.28 天皇信仰 06.20 漱石をジェンダーから読む 08.05 社会主義再興 08.13 開店休業 09.27 ヤスクニのゆくえ 10.03 「ケア」論を考える 11.01 感性の違い 11.04 外から見れば 11.17 天皇制と家父長制 11.25 男の性再考12.08 女性研究者の道は厳しい 12.20 ●2006年 ナガサキ/ヒロシマ 01.01 戦争の中の青春 01.06 見えない部分 01.27 介護入門 02.11 老いてゆく 03.22 哲学者は大学にいない 03.31 お葬式 04.02 神も狂っている 04.07 小学生に英語は必要ない 04.12 格差社会に反対 04.12 愛国心 04.29 被爆のマリア 08.26 ヒロシマ再訪 08.28 ヒロシマ再訪(続) 08.28 ●2007年 ちょっとだけ哲学してみる 02.15 女に哲学できるのか? 02.16 「私」について哲学できるのか? 02.17 宗教は否定されるのか? 02.18 私はほんとうに私なの? 02.24 死者とともに生きる 02.25 身体としての私 02.28 ●2008年 連帯は可能か 04.23 戦争は始まっている 04.27 本当に平和主義がよいのか 04.28 さらば、ぶんまお 05.02 著者略歴 ぶんまお【著】 1949年生まれ。某大学で教鞭をとる。アカデミズムの体系だった哲学・思想に飽き足りず、個人から出発して個であることを手放さない「哲学」実践をネットで試みる 末木 文美士【編集】 1949年、山梨県甲府市に生まれる。1978年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻、仏教学、日本思想史、日本宗教史。仏教を生きた思想として再構築することを目指し、また仏教を含めた全体的な日本宗教史を構想、さらには現代倫理の問題までを射程に入れて、その著作は一作ごとに大きな波紋を呼び活躍が注目される。 著書に、『近代日本の思想再考1・明治思想家論』『近代日本の思想再考2・近代日本と仏教』『思想としての仏教入門』(トランスビュー)、『日本仏教史—思想史としてのアプローチ』(新潮社)、『解体する言葉と世界—仏教からの挑戦』『「碧巌録」を読む』(共に岩波書店)、『鎌倉仏教形成論—思想史の立場から』(法蔵館)、『中世の神と仏』(山川出版社)など。編著書に『日本の仏教』第1期・第2期(法蔵館)、『岩波仏教辞典』第2版、『岩波講座 宗教』、『現代語訳 碧巌録』(上・中・下、岩波書店)他多数。
-
花はどこへいった
¥1,980
ISBN: 978-4-901510-68-4 内容紹介 グレッグの癌は枯葉剤のせい? カメラを手に渡ったベトナムで出会った被害者たちの生活。 最愛の夫との死別を乗り越え、岩波ホールなどで公開されたドキュメンタリー映画『花はどこへいった』の完成までを綴った書下ろしノンフィクション。 目次 1 突然訪れた最期 予期しなかった宣告/枯葉剤が原因? 2 七〇年代、京都で ベトナム帰還兵/自由の風に乗って/韓国への旅/写真通信社の仕事 3 ベトナムへの帰還 フィリップ・ジョーンズ=グリフィスとの出会い/戦後ベトナムからのレポート/私のベトナム・カンボジア紀行/ベトちゃんドクちゃんを取材する 4 揺れ動くアジアを行く 地雷の国、カンボジア/クーデターとポル・ポトの死/不思議の国、北朝鮮/スー・チーさんへの単独インタビュー/中央アジアへ向かう視線 5 「9・11」以後の世界 アフガニスタンからの報告/グレッグの写真論と作品/中央アジア・ダイアリー 6 枯葉剤の実態をドキュメンタリー映画に 哀しみをのりこえるために/映画作りを学ぶ/枯葉剤の調査 7 ベトナム取材の衝撃 被害者たちに会う/元アメリカ兵の建てた施設/中部高原地帯の村/ツーズー病院「平和村」/ロンタン基地をさがして 8 『花はどこへいった』の誕生 パーソナル・レクイエム/試行錯誤の編集作業/アメリカでの追跡調査/あるベトナム帰還兵の回想 9 ベトナム再訪 裁判の結果/被害者たちのその後/新たな発見の旅へ あとがき 著者略歴 坂田 雅子【著】 1948年、長野県生まれ。京都大学文学部卒業。70年にグレッグ・デイビスと出会い結婚。夫のフォト・ジャーナリストとしての仕事を手伝いつつ、76年から写真通信社インペリアル・プレス勤務、のち社長となる。98年、IPJを設立し社長に就任。2003年、グレッグの死をきっかけに枯葉剤の映画を作ることを決意、アメリカで映画制作を学ぶ。04年から06年、ベトナムと米国で被害者家族、ベトナム帰還兵、科学者らにインタビュー取材、撮影を行なう。2007年、映画『花はどこへいった』を完成させ、東京国際女性映画際を皮切りに岩波ホールほか全国各地で上映、大きな反響を呼ぶ。
-
父が子に語る日本史
¥1,650
ISBN: 978-4-901510-66-0 内容紹介 中国大陸や朝鮮半島、沖縄、北海道など周縁地域とのかかわりの中で記述された、歴史の見方は一つでない事に気づかせるユーモア溢れる歴史読本。 国家形成のためにつくられた一国史的視点を超える歴史認識へのいざない。 目次 スペード 剣の章 A なぜこの本を書くのか 2 全体像を示したい 3 「日本史」をどこから見るか 4 アテルイは「反乱者」か 5 「美しい国」平泉と「いい国」鎌倉 6 明治維新を導いた『日本外史』 7 外国のことならよく知っている 8 遣隋使は対等外交か 9 「新興貴族」としての平氏 10 尊王思想と徳川幕府の関係 J 攘夷運動のゆくえ Q 南北朝の語られ方 K 忠君愛国と民主主義教育 ハート 心の章 A 紀元節神話とは 2 宗教が語る日本古代史 3 『古事記』も漢字で書かれている 4 本居宣長の言い分 5 史料の見方 6 聖徳太子の出自 7 論争の的としての「聖徳太子」 8 太子伝説擁護論への疑問 9 神功皇后と卑弥呼の合体 10 『論語』と『千字文』 J 消えた王仁博士 Q 蘇我氏の祖先のこと K 倭国から日本国へ ダイヤ 宝の章 A 改新の詔はいつ作られたか 2 官人の誕生 3 天智即位の年 4 内乱と女帝 5 円仁の大旅行記 6 太陰太陽暦の話 7 「梅の都」から「花は桜」へ 8 「国風」の意味 9 桜花のイメージ 10 無常ということ J 平安時代最強の怨霊 Q 『今昔物語集』の世界観 K 仁義道徳は人を食らう クローバー 鋤の章 A 中世人のたくましさ 2 めまぐるしい十二世紀 3 鎌倉新仏教の時代背景 4 「そうだ 京都、行こう。」の京都とは 5 寧波プロジェクト(にんぷろ)の目指すもの 6 南北朝から室町へというリトマス試験紙 7 日本史を二分する応仁の乱 8 戦国大名の軍師養成学校 9 「転勤」という支配方法 10 勢力としての仏教寺院と天皇 J 新たな対外関係と「この国のかたち」 Q 鎖国時代の中国のイメージ K 今も人を食らう仁義道徳 著者略歴 小島 毅【著】 1962年生まれ。東京大学卒。専門は中国思想史。現在、東京大学准教授。「日中歴史共同研究」委員、日本学術会議連携会員を務める。専攻分野での著書は『中国思想と宗教の奔流』(「中国の歴史07」講談社)、『朱子学と陽明学』(放送大学教材)など。このほか、一般読者向けの『義経の東アジア』(勉誠出版)は躍動する日本中世像を巨大なスケールで描き出し、その破壊的なギャグと共に衝撃を与えた。以後も、『近代日本の陽明学』(講談社)、『靖国史観』(ちくま新書)、『足利義満』(光文社新書)と、問題作・話題作を次々に発表している。
-
わたしの戦後出版史
¥3,080
ISBN: 978-4-901510-65-3 内容紹介 1953年未來社に入社し、戦後を代表する多くの作家・学者と関わり、83年に影書房を設立、いまも現役編集者として活躍する著者が、個人の回想がそのまま戦後出版史となる歴史を語る。 貴重な人物写真や初版本など図版230点を収録。 目次 聞き書きのはじめに・・・鷲尾賢也 1 未来社入社まで 2 西谷能雄社長の「頑迷固陋」 3 花田清輝、品行方正の破れかぶれ 4 平野謙の芸術と実生活 5 難解王、埴谷雄高のボレロ的饒舌 6 敗戦前後—わたしの戦争体験 7 丸山眞男の超人的好奇心 8 権威嫌いの藤田省三の仕事 9 全身小説家、井上光晴の文学魂 10 上野英信、記録文学の精神 11 木下順二と山本安英の奇跡的な出会い 12 秋元松代の反響とわが演劇運動 13 竹林の隠者、富士正晴 14 野間宏の独特な精神の迂回路 15 人類生活者・溝上泰子の闘い 16 女性の人権と自立のために—もろさわようこ・山代巴・丸岡秀子 17 北朝鮮とのかかわりと金泰生 18 西郷信綱、廣末保、安東次男と民衆文化 19 宮本常一、そして出版の仲間たち 20 『秋田雨雀日記』と忘れえぬ演劇人たち 21 上原専祿の言葉と出版への思い 聞き書きをおえて・・・上野明雄 後記・・・松本昌次 著者略歴 松本 昌次【著】 1927年生まれ。1953年、未来社入社、以後三十年間編集者として勤め、83年退社、影書房を創設し現在に至る。関わった著者に花田清輝、埴谷雄高、丸山真男、平野謙、野間宏、杉浦明平、木下順二、富士正晴、島尾敏雄、吉本隆明、井上光晴、橋川文三、上野英信、溝上泰子、廣末保、藤田省三など。手がけた数々の名著は、そのまま戦後出版史の輝かしい軌跡を描く。著書に『戦後文学と編集者』ほか。 上野 明雄【著】 1943年生まれ。1967年、小学館入社。児童雑誌編集長、児童図書・一般図書編集部長などを経て、同社取締役及び小学館クリエイティブ代表取締役を2007年退任。野上暁の名で子ども文化研究や評論家としても活躍、著書に『おもちゃと遊び』『日本児童文学の現代へ』『子ども学 その源流へ』などがある。 鷲尾 賢也【著】 1944年生まれ。1969年、講談社入社。現代新書編集長を経て、「選書メチエ」「現代思想の冒険者たち」「日本の歴史」などを手がける。学芸局長、取締役を経て2003年退任。著書『編集とはどのような仕事なのか』。小高賢の名で歌人としても活躍。歌集に『本所両国』(若山牧水賞)、『眼中のひと』などがある。
-
近世仏教思想の独創
¥6,380
ISBN: 978-4-901510-60-8 内容紹介 江戸中期の律僧普寂は、富永仲基に代表される科学的合理主義といかに対峙し、乗り越えようとしたのか。 仏教堕落史観や政治思想中心主義を超えて、近世から近代に連なる新たな思想史の構築を目指す俊英の力作論考。 目次 はじめに 第一章 近世思想史における仏教の意義 第一節 空と治国平天下—丸山眞男を始点として 一 近世思想史の再構築 二 近世仏教研究史の概略 三 丸山眞男の発見したもの 四 空と治国平天下 五 仏教思想の意義 第二節 普寂研究史 一 普寂について 二 普寂の研究史 第二章 僧侶普寂—その生涯(一七〇七—一七八一) 一 普寂の位置づけ 二 普寂の生涯 (一)修学期(誕生〜二十八歳) (二)遍歴修行期(二十八歳〜五十七歳) (三)講義著作期(五十七歳〜七十五歳) 三 普寂の自己認識 第三章 聖俗の反転—出定如来・富永仲基 一 出定の志 二 仲基の仏教観 三 「出定後語」の真意 四 仏教への衝撃 第四章 現世の解体—須弥山説論争と普寂 一 須弥山説論争 二 懐徳堂知識人と文雄 三 無我の護法論 四 須弥山説の意味 第五章 教判を生きる—普寂の大乗仏教論 一 大乗非仏説と華厳思想 二 大乗密伝の様相 三 教判を生きる 四 普寂の宗教性 第六章 蚕の声—律僧の禁絹論 一 近世戒律運動と禁絹論 二 黒衣禁絹 三 蚕の声 四 律僧の象徴 第七章 非布非絹—絹衣論の展開 一 禁絹論への批判 二 禁絹の誘惑 三 精神性の罠 四 非布非絹 第八章 不退の浄土—普寂の大乗論 一 寺院社会と律僧 二 普寂の大乗観 三 復古の限界 四 不退の浄土 五 普寂の修道論 第九章 檀林の定法—近世浄土教団における戒律観の変遷 一 律僧と教団 二 戒律の復興 三 律僧批判 四 律僧の排除 五 教団の選択 おわりに 普寂の主要著作一覧 普寂年譜 あとがき 初出一覧 索引 著者略歴 西村 玲【著】 1972年、東京に生まれる。東北大学文学部史学科日本思想史専攻卒業。同大学院文学研究科日本思想史専攻、博士課程後期修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(SPD. 2005〜2008年)。プリンストン大学客員研究員(2005年〜2006年)を経て、現在、財団法人東方研究会研究員。専攻は日本思想史、日本仏教思想。
-
空海の思想的展開の研究
¥13,200
ISBN: 978-4-901510-58-5 内容紹介 平安時代に真言宗を開き密教を大成したとされる宗教史上の巨人・空海。 伝説と信仰の厚いヴェールを剥がし、全著作を同時代の仏教思想と比較して読み解き、生涯にわたる思索の変容と展開を跡づけた、日本宗教史を書き換える画期的論考。 目次 第一編 空海の伝記と著作 第一章 空海の伝記 第二章 奈良仏教・平安初期仏教について 第三章 空海の著作について−年代と真偽問題 第二編 空海の思想とその背景 第一章 顕と密−空海における顕密概念の形成と玄叡の顕密概念 第二章 法身説法 第三章 阿字本不生 第四章 即身成仏思想 第五章 空海と言尽意論 第三編 十住心教判と奈良・平安初期の仏教 第一章 空海の著作に見られる十住心思想の萌芽 第二章 三論・法相に対する位置づけの変化−『二教論』から『十住心論』へ 第三章 第八住心・天台宗の位置づけとその到達点 第四章 空海の真理観−奈良・平安初期における日本華厳教学との対比から 結論および今後の課題 注 あとがき 参考文献一覧 英文目次 英文要約 著者略歴 藤井 淳【著】 1976年、山形県に生まれる。2000年、東京大学文学部卒業(インド哲学仏教学)。2006年、東京大学人文社会系研究科博士課程修了(文学博士)。現在、日本学術振興会特別研究員(京都大学人文科学研究所所属)。
-
ガイサンシーとその姉妹たち/チョンおばさんのクニ[DVD]
¥5,280
ISBN: 978-4-901510-63-9 内容紹介 日本軍が中国山西省で行った性暴力の実態と、苦しみ続ける戦争被害女性の現在を、本人たちへのインタビューで記録する。 慰安婦として連行された韓国人女性の最期を追った「チョンおばさんのクニ」も収録。 (日本/2007年/本編170分/日本語字幕) ◇非営利上映等が許諾されたライブラリー版は、20,000円 著者略歴 班 忠義【著】 1958年中国・撫順市生まれ。82年黒龍江大学卒業。上智大学大学院、東京大学大学院研究生を経る。著書に、『ガイサンシーとその姉妹たち』(梨の木舎)、『曽おばさんの海』(朝日新聞社・第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞受賞)など。