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ISBN: 978-4-901510-93-6
内容紹介
仏教は、近代科学と両立可能な唯一の宗教である。— アルバート・アインシュタイン
ブッダは実際には哲学を提唱しているのではない。彼は人間に挑戦状を突きつけているのだ。—カール=グスタフ・ユング
仏教と西洋の出会いは、二十世紀のもっとも有意義な出来事である。— アーノルド・トインビー
西洋にとって、ときに恐怖の的となり、ときに希望や幻想の対象となった仏教とは何だったのか。
仏教の誤解と理解のドラマを描く、古代から21世紀までの壮大な通史。
目次
日本語版への序文
序 論
西欧における仏教の浸透/断続的な「出会い」の歴史/「解釈された仏教」と「本当の仏教/仏教の成功と西洋の三大「抑圧」
第Ⅰ部 幻想の誕生—古代、中世、ルネサンス、前近代—
第一章 仏教はギリシャとインドをつないだか
直接の影響か、たんなる相似か/海を渡って扶桑の国へ/古代人の幻想のインド
第二章 中世の旅行者たち
マルコ・ポーロが伝えたブッダの伝記/キリスト教版ブッダ伝/福音の理想としての仏教僧院
第三章 中世のチベット神話
神秘、黄金、性的自由
第四章 宣教師たちによる発見 十六世紀から十八世紀まで
「神なき宗教」の繊細さ/宗教論争に仏教を利用する
第五章 「ラマ教」の幻惑 一六二〇年から一八五〇年まで
「黄色い教会」/ユック神父の旅行記
第Ⅱ部 仏教の発見 一七八〇年から一八七五年まで
第一章 「東洋ルネサンス」
『アヴェスタ』と『バガヴァッド・ギーター』の翻訳/ロマン主義者のインド/ヒンドゥー教を通して見た仏教/学問的研究の進展
第二章 キリスト教の強敵
仏教とキリスト教の驚くべき相似/「近代的」仏教と「教条的」キリスト教
第三章 ショーペンハウアーと「仏教厭世主義」
『意志と表象としての世界』をめぐって/ショーペンハウアーは仏教哲学者か/「仏教厭世主義」という誤解
第四章 ニーチェと「仏教虚無主義」
キリスト教に対抗する盟友/仏教との決別
著者略歴
フレデリック・ルノワール【著】
1962年生まれ。スイスのフリブール大学で哲学を専攻。雑誌編集者、社会科学高等研究院(EHESS)客員研究員などを経て、ルモンド紙が発行する『宗教の世界』誌編集長をつとめる。邦訳書に『チベット真実の時Q&A』(二玄社)。2010.07.19付の「朝日新聞」記事によると、近著『Comment Jesus est devenu Dieu』(イエスはいかに神になったか)は、フランスのベストセラーリスト入りしている。
今枝 由郎【翻訳】
1947年生まれ。1974年にフランス国立科学研究センター(CNRS)研究員となり、91年より同研究ディレクター、現在に至る。専門はチベット歴史文献学。著書に『ブータンに魅せられて』(岩波新書)、『ブータン仏教から見た日本仏教』(NHKブックス)訳書に『ダライラマ 幸福と平和への助言』(トランスビュー)などがある。
富樫 瓔子【翻訳】
1959年生まれ。 日本女子大学文学部卒業。日本近代文学館に勤務のかたわら、フランス語の翻訳に携わる。『ブッダの生涯』(J.ボワスリエ)、『死の歴史』(M.ボヴェル、共に創元社「知の再発見双書」)、『ブッダの教え—初期経典をたどって—』(A.バロー、大東出版社)などの訳書がある。
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