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この一身は努めたり

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ISBN: 978-4-901510-74-5

内容紹介
 ただひたすらに励んだ歌人・上田三四二。
短歌のみならず小説、評論、伝記、エッセイへと活躍の場を広げ、数多くの栄誉に包まれた生の核心には、しかし一つの謎があった。
 奥底に鎮められたある「断念」に迫りつつ、その文学的営為の全貌を描く。

目次
第一章 上田三四二という問題

一九八九年一月八日
さまざまな追悼
病と死生観 
西行から道元へ 
麻酔からさめて 
わが方法の痼疾 
永遠と一瞬

第二章 短歌と批評の関係

戦争中のとまどい 
短歌という選択
『黙契』の謎 
現実との不調和 
現代詩との断層 
批評の根底 
塚本邦雄との応酬 
短歌原論としての『現代歌人論』
「逆縁」のできばえ 
「斎藤茂吉論」の特異さ 

第三章 歌人の誕生 

なぜ東京に移り住んだのか 
「詩的思考」とは何か 
頑固な美意識とその裏側 
批評という問題
理念と現象
『雉』という第二歌集
身体への視線
「夫の文学」から「父親の文学」へ
媒介としての庄野潤三
自然の回復
自然という胎内
短歌への沈潜
歌人としての再出発
『湧井』のもつ磁場
時間の推移に身を任せ
より穏やかに、より普通に、より平凡に

第四章 短歌と小説の関係

『うつしみ』の語るもの
市川浩の身体論
細部に向かって
「私性」と私小説
長編短歌としての小説
上田のスタイル
願望小説集『花衣』
目的化する描写
教養小説の一変種
野心と隠遁
到達点の「冬暦」
本当の歌人になりたい
エロスと死の翳
論じにくい理由


第五章 円熟の核心

陽光のなかの『遊行』
至福のひととき
描写するよろこび
佐太郎と柊二
観賞家
文学を楽しむ
赤彦と千樫
『つきかげ』をめぐって

第六章 一身は努めたり

生命への慈しみ
澄むことの徹底化
「私」と世界との融合
死に臨む態度
病に耐える
幼子のいる風景

なんとか生きたい
日本語の底荷
一身は努めたり

上田三四二年譜

あとがき

著者略歴
小高 賢【著】
1944年、東京の下町に生まれる。慶應義塾大学卒業。編集者として馬場あき子に出会い、78年「かりん」創刊に参加。現在、「かりん」選歌委員。『本所両国』で第五回若山牧水賞受賞。著書に歌集『耳の伝説』『家長』『太郎坂』『本所両国』(雁書館)、『小高賢歌集』(現代短歌文庫20)『怪鳥の尾』(砂子屋書房)、『液状化』(ながらみ書房)、『小高賢作品集』(柊書房)、『眼中のひと』(角川書店)、批評『宮柊二とその時代』(御柳書院)、『転換期と批評』(柊書房)、入門書『現代短歌作法』(新書館)、編著『現代短歌の鑑賞101』『近代短歌の鑑賞77』(新書館)などがある。

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