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人と数学のあいだ
¥1,980
ISBN:9784798701837 内容紹介 ○書評 「日本経済新聞」2022年1月22日・朝刊 =================== 「数学を学ぶことは、人間を学ぶこと」 数学は、非常に難しく、とっつきにくいものだと思われがちです。 たしかに現代の数学は抽象的で、技術的にも高度なものです。 大学はおろか中学・高校の数学で挫折してしまったという方も多いかもしれません。 しかし、実は数学は、私たちの身の回りの至るところに浸透しています。 スマートフォンなど日々使用している機器はもちろん、社会活動や人と人とのつながりにとっても、重要な基盤となっている。つまり、数学を使うと使わざるとにかかわらず、非常に身近なものだということです。 本書は、数学者・加藤文元と、異分野の識者4人との対談を収録したものです。 川上量生さんとはビジネス、 竹内薫さんとは物理学・プログラミング、 岩井圭也さんとは小説、 上野雄文さんとは脳科学、 ……を通して、数学と人間とのかかわり、そして数学の新たな可能性を探っていきます。 必ずしも数の計算や命題の証明をしなくても、数学の面白さ・奥深さは味わえる。 本書を通して、そのことを体感していただけるはずです。 目次 はじめに??数学を学ぶことは人間を学ぶこと 社会の至るところに浸透している数学 数学を学ぶことは人間を学ぶことである 数学を楽しむということ 数学するとは生きること??竹内薫さん 数学と孤独??岩井圭也さん 数学と脳??上野雄文さん コンテンツとしての数学??川上量生さん 第1章 数学することは、生きること 加藤文元×竹内 薫 数学とプログラミングとクリエイティビティ ルービックキューブで「群論」が分かる? 自分で「発見」することの大切さ 数学は人間が生み出したのか、自然にあるものか 数学はすごい、でも物理学もすごい 未来の数学の姿 第2章 数学と文学の交差点??すべての表現者は孤独か? 加藤文元×岩井圭也 なぜ、数学者を題材に小説を書こうと思ったのか 天才数学者の孤独 共同で革新的アイデアを生み出すことは可能か 作家の孤独 孤独とストイックの違い 「共鳴箱」の必要性 数学と文学の共通項 第3章 数学と脳科学??数学者の精神と脳科学の数理 加藤文元×上野雄文 脳から数学を読み解く ガロアの死亡診断書 「数学脳」はあるのか? 数学と視覚の関係 数学者も言葉を通して考える 数学における〈正しさ〉とは何か 野山を駆け回ることと発想力 機械に数学はできるか 数学が「一つ」であること 人間の脳は、どのように抽象概念を手に入れたか 第4章 数学は「役に立つ」のか? 加藤文元×川上量生 数学という最高のエンターテインメント 数学はビジネスの役に立つのか プログラムや法律の複雑度を「幾何学的」思考で測る 現代数学は「非可逆圧縮」された情報だと考えられる? 現代数学の可能性を探る??古典数学と現代数学の違い 「空間化」することの意味 数学における空間の考え方の変遷 著者略歴 加藤 文元【著】 1968年、宮城県生まれ。東京工業大学理学院数学系教授。97年、京都大学大学院理学研究科数学数理解析専攻博士後期課程修了。九州大学大学院助手、京都大学大学院准教授などを経て、2016年より現職。著書に『ガロア 天才数学者の生涯』(角川ソフィア文庫)『物語 数学の歴史?正しさへの挑戦』『数学する精神?正しさの創造、美しさの発見』(以上、中公新書)『数学の想像力?正しさの深層に何があるのか』(筑摩選書)、『宇宙と宇宙をつなぐ数学?IUT理論の衝撃』(KADOKAWA)、 『天に向かって続く数』( 共著、日本評論社)など。 岩井 圭也【著】 小説家。1987年生まれ。北海道大学大学院農学院修了。2018年『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞(KADOKAWAより刊行)。著書に『文身』(祥伝社)、『水よ踊れ』(新潮社)、『この夜が明ければ』(双葉社)などがある。 上野 雄文【著】 1995年九州大学医学部卒業。博士(医学)。独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部長・医師養成研修センター長、九州大学医学部臨床教授、NPO法人 数理の翼理事長。専門は臨床精神医学、脳生理学。 川上 量生【著】 1968年愛媛県生まれ。91年京都大学工学部卒業。97年8月ドワンゴを設立。株式会社KADOKAWA・DWANGO代表取締役会長を経て、現在はKADOKAWA取締役、ドワンゴ顧問、学校法人角川ドワンゴ学園理事などを務める。 竹内 薫【著】 サイエンス作家。1960年生まれ。東京大学教養学部教養学科、同大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(高エネルギー物理学専攻、理学博士)。フリースクール「YES International School」校長も務める。著書に『99・9%は仮説』(光文社新書)、訳書に『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ポール・ナース著、ダイヤモンド社)などがある。
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エピソード
¥2,970
ISBN:9784798701820 内容紹介 「一般的に病院の内科では、既往症のことをエピソードとも言う。そのエピソードがいくつか重なってメイジャーなものになると、ヒストリーとも言う。」 編者のアメリカ文学研究における恩師 須山静夫氏の壮絶な半生を描いて話題となった『S先生のこと』(第61回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)を書き終えた後、もう一人の恩師である大橋吉之輔氏(1924-93、慶應義塾大学名誉教授)のことを書かねばならないと思い立った。 大橋氏は、ヘミングウェイ、スタインベック、フォークナーといったアメリカ文学の研究、翻訳の大家として知られる。中でもシャーウッド・アンダスン研究の世界的権威であった。 しかし、その死から20年余り。記憶を辿るには遠くなった恩師の生涯を恩師自身に語ってもらうべく、書き残された文章を収集することから始めた。そうして選ばれた46篇の文学論やエッセイは、晩年に至って「私小説」の領域に近づく。編者によるサイドストーリーを交えて描き出される、ユニークで傑出したある文学者の生涯。 ■目次■ 小伝 大橋吉之輔先生 第一章 「大橋吉之輔」の形成 ヒロシマ・ひろしま・広島 菊池寛のトランク 書物とのつきあい シェイクスピアのこと Episode 東大時代の先生 厨川先生のこと(厨川文夫氏への追悼文) “Three Lives”(龍口直太郎氏への追悼文) 思い出すこと(西脇順三郎氏への追悼文) 師恩(西川正身氏への追悼文) Episode 大橋二等兵 第二章 先生の文学論 アメリカ文学へのアプローチ Episode 大橋ゼミ スタインベックの文学 アーネスト・ヘミングウェイの死 ウィリアム・フォークナーの人と作品 ?私は人間の終焉を信じない? 大橋健三郎著『フォークナー研究 1』 Episode 大橋先生の文学論 いまなぜユダヤ系なのか 谷崎、荷風の作品を評価 来日の米小説家ソール・ベロー 死を想定しない倫理 Episode 先生の、そして私の『ライ麦畑でつかまえて』 本国におけるメイラーの評価 『カリフォルニア州ヨコハマ町』 Episode 大橋先生と翻訳 事件と文学の間柄 南部女流作家の写真集 ケルーアック再考 思い出すこと サーバー雑感 われわれにとって外国文学とは何か??「アメリカ文学に対するアジアの反応」会議に出席して シャーウッド・アンダスンと私 シャーウッド・アンダスンの文章 Episode 大橋先生の「アンダスン愛」 第三章 仕事・クルマ・映画・古本 貧乏性 ヘミングウェイ架空会見記 国産車の余禄 病気のあとで Episode 先生とクルマ 映画三題 強烈な人間臭さ??イタリア映画「道」 身と心で生きている人々??「喜びも悲しみも幾歳月」 リアリズム映画の極限??ポーランド映画「地下水道」 アメリカの古本屋 Aを追え ニューヨーク・ブック・フェアにて さぎそう 第四章 晩年の先生 天邪鬼 Episode 李さんのこと インディアン タイムズ・スクェア Episode 恵泉女学園大学時代 なまえ なまえ(続) Episode 入院中の先生 第五章 最後のエッセイ シカゴ再訪 Episode シカゴへの旅 ジョン・アンダスンのこと 宇和島へ Episode 私の就職問題 シェリーかシャンペンか Episode 大橋先生と松元寛先生 感謝祭の七面鳥 Episode 絶筆 エピソード 大橋吉之輔著作目録 著者略歴 大橋 吉之輔【著】 アメリカ文学者。慶應義塾大学名誉教授。東京大学英文科卒業。高校教師、雑誌編集などを経た後に、1952年より慶應義塾大学文学部で教鞭を執った。日本におけるアメリカ文学研究の黎明期を支えた一人。ストウ夫人『アンクル・トムの小屋』、ウィリアム・フォークナー『アブサロム、アブサロム!』、ウィリアム・スタイロン『ナット・ターナーの告白』、アーウィン・ショー『富めるもの貧しきもの』などを翻訳した。シャーウッド・アンダスン研究の世界的権威として知られ、『アンダスンと三人の日本人??昭和初年のアメリカ文学』(1984年、研究社出版)で日米友好基金特別図書賞を受賞。 尾崎 俊介【編集】 1963年、神奈川県生まれ。愛知教育大学教授。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻後期博士課程単位取得。専門はアメリカ文学・アメリカ文化。著書に『S先生のこと』(新宿書房、第61回日本エッセイスト・クラブ賞)、『ハーレクイン・ロマンス』(平凡社新書)、『ホールデンの肖像??ペーパーバックからみるアメリカの読書文化』(新宿書房)、『紙表紙の誘惑』(研究社)などがある。
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自分探しの倫理学
¥2,090
ISBN:9784798701813 内容紹介 アリストテレス、スピノザ、ドゥルーズ、道元、エヴァンゲリオン?? 中世哲学と現代のアニメーションが接続し、 「自分とは何か」を巡る旅が始まる 「自分とは何か」「何のために生きているのか」 ??誰しも一度はそんな疑問を抱えたことがあるだろう(ない人は幸せだ)。 アカデミックな哲学や倫理学は高尚で、そんな俗世の悩みには答えてくれないように思える。自分とは何かに対する唯一の正解など存在しないが、その「分からなさ」に身を浸すことが大切なのだ。 この本は、「自分探し」をあきらめた大人たちと、自分が嫌いなあなたのための倫理学である。 「自分探しの途上で死んでいくことが人生なのだ、と最初に結論を書いてしまうと話は続かないが、哲学は結論から前提に進んでいく学問だ。人生をその終わりから手前に向かって進む行程として考える「ひねくれ者」がいてもよいのではないか。」(本文より) ■目次■ 第一章 〈私〉という探し物 ・人生という旅の方法 ・〈私〉をどこに探せばよいのか ・スピノザと自分探し ・私は自分探しが嫌いだ ・自分探しの救いようのないカッコ悪さ ・自分探しとは何を探すことなのだろう? ・揺れ動く〈私〉 ・模倣や嫉妬という宝物 第二章 自分嫌いとインティマシー ・世界の中心で自分を嫌う ・「気持ち悪い」なんてなぜ言うのか? ・フツーなんてどこにもない ・まずは失敗してみろ! ・他者と自分との境界 ・〈私〉と他者の境界はどのようにして作られるのか ・ケンカの論理学 ・シンメトリー型とコンプリメンタリー型のコミュニケーション ・コミュニケーションの行き着く先は ・親密性(インティマシー)という共犯関係 ・〈私〉ということの傷つきやすさ ・インティマシーとは切なくつらいこと 第三章 ハビトゥスとしての〈私〉 ・自己愛って悪いものじゃない ・ハビトゥス、ハビトゥス、ハビトゥス ・魑魅魍魎と深い沼底に咲く花たち ・ハビトゥスも壊れる ・愛とは何か ・ハビトゥスと徳 ・生の中に組み込まれた死の姿 ・魑魅魍魎の現れる夜 第四章 自分探しと個体化ということ ・個体化が越えられない断絶 ・〈このもの性〉ということ ・自分探しと個体化 ・中世哲学における個体化の議論 ・個体化の議論を考える ・個体化の議論は何だったのか ・超越概念と個体性 ・〈私〉とは風ではないのか 第五章 人生は何のために ・「何のため」から逃れる ・フロー(流れ)としての〈私〉 ・非目的論の意味 ・祭りは何のためにあるのか ・〈私〉が空っぽの巣とならないために ・〈私〉という物語 ・祝福される物語 ・〈私〉の物語と幸福の関係 ・関係の結び目としての〈私〉 ・自分らしさということ ・ねじれた心で哲学を ・未来が存在していないとしても ・非存在の輻(ふく)輳(そう)するところ ・心は〈かたち〉あるものに向かう 第六章 セカイと〈私〉 ・セカイ系の学問としての哲学 ・ラスボス倒しによる自分探し ・自分探しの倫理学 ・約束とフィグーラ ・アリストテレスによる自分探し ・スクリプトを回収すること エピローグ 著者略歴 山内 志朗【著】 1957年生まれ。山形県出身。慶應義塾大学文学部教授。専門は中世哲学、倫理学。東京大学大学院博士課程単位取得退学。新潟大学人文学部教授を経て現職。主な著書に『普遍論争??近代の源流としての』(平凡社ライブラリー)、『新版 天使の記号学??小さな中世哲学入門』(岩波現代文庫)、『湯殿山の哲学??修験と花と存在と』(ぷねうま舎)、『目的なき人生を生きる』(角川新書)、『過去と和解するための哲学』(大和書房)、編著に『世界哲学史』シリーズ(ちくま新書)など。
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私たちはどのような世界を想像すべきか
¥2,750
ISBN:9784798701806 内容紹介 災害、疫病、環境、科学技術、宗教…… 不確実な時代において、 30年後の未来を考えるために。 東京大学の新入生に向けて行われた11のオムニバス講義を収録。 〈世界〉と〈人間〉を学問の最前線から捉え直す! 第1講 「人新世」時代の人間を問う??滅びゆく世界で生きるということ…………田辺明生 第2講 世界哲学と東アジア…………中島隆博 第3講 小説と人間??Gulliver’s Travelsを読む…………武田将明 第4講 30年後を生きる人たちのための歴史…………羽田正 第5講 脳科学の過去・現在・未来…………四本裕子 第6講 30年後の被災地、そして香港…………張政遠 第7講 医療と介護の未来…………橋本英樹 第8講 宗教的/世俗的ディストピアとユマニスム…………伊達聖伸 第9講 「中国」と「世界」??どこにあるのか…………石井剛 第10講 AI時代の潜勢力と文学…………王欽 第11講 中動態と当事者研究??仲間と責任の哲学…………國分功一郎・熊谷晋一郎 目次 第1講 「人新世」時代の人間を問う??滅びゆく世界で生きるということ…………田辺明生 第2講 世界哲学と東アジア…………中島隆博 第3講 小説と人間??Gulliver’s Travelsを読む…………武田将明 第4講 30年後を生きる人たちのための歴史…………羽田正 第5講 脳科学の過去・現在・未来…………四本裕子 第6講 30年後の被災地、そして香港…………張政遠 第7講 医療と介護の未来…………橋本英樹 第8講 宗教的/世俗的ディストピアとユマニスム…………伊達聖伸 第9講 「中国」と「世界」??どこにあるのか…………石井剛 第10講 AI時代の潜勢力と文学…………王欽 第11講 中動態と当事者研究??仲間と責任の哲学…………國分功一郎・熊谷晋一郎
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哲学として読む 老子 全訳
¥2,750
ISBN:9784798701790 内容紹介 “2500 年の誤解”をくつがえす画期的解釈! 老子の哲学をいきいきと伝える。 『論語』に並び称される中国古典の最高峰『老子』。 「道」や「無為」を説く難解な書として知られるが、 今回新たな解釈をもとに高校生でも読める わかりやすい現代語に訳しなおした。 この世界が生まれるまえから存在している「もの」。 老子は、その「もの」について、 「わたしはその名を知らない。 かりそめに『道』とでもよんでおこう。」 と書いている。 「道」はこれまで、学術的には「宇宙の根源」、 一般的には「人生訓」のように理解されてきた。 しかし、それでは『老子』の本当の面白さはわからない。 著者は「道=自然の法則」という新解釈を示すことで、 『老子』を今の私たちにも役立つ、西洋思想に負けない いきいきとした哲学書として読み直す。 “2500 年の誤解” を解く、渾身の一冊。 著者略歴 山田 史生【著】 1959年、福井県生まれ。東北大学文学部卒業。東北大学大学院修了。博士(文学)。現在、弘前大学教育学部教授。著書に『門無き門より入れ 精読「無門関」』(大蔵出版)『禅問答100撰』(東京堂出版)『?居士の語録 さあこい!禅問答』(東方書店)『物語として読む 全訳論語・決定版』(トランスビュー)など。
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美術解剖学とは何か
¥2,750
ISBN:9784798701783 内容紹介 「解剖学がわかれば、美術が見える」 布施英利氏 推薦! 「美術解剖学」という学問がある。古くはダ・ヴィンチが解剖のスケッチをしていたように、芸術家は人間を表現するために、人体の内部構造から多くのことを学んできた。しかし、この美術と医学のあいだにある学問について、現代的な知見に基づいてしっかりと解説した本はほとんどない。 本書は、美術解剖学について、その内容から歴史までを概観した、これまでにない入門書だ。 ◎美術解剖学とは何を学ぶ学問なのか? ◎この学問は美術なのか? 医学なのか? ◎描き方のコツを学ぶだけが、美術解剖学ではない ◎人体の見どころを徹底解説 ◎美術解剖学の歴史をたどる 著者は、ファッションを入口に人体に興味を持ち、芸術・医学の両分野を修めた気鋭の研究者。 人が人を表現することはどういうことか? アーティストや漫画家、CGクリエイターといった専門家だけでなく、一般の美術ファンにとっても新たな視点を得られる一冊。 目次 第1章 美術解剖学とは何か §1ー1 美術解剖学とは何か 1-2 美術と医学の間で 1-3 美術解剖学を学べば「見る目」が養われる 1-4 美術解剖学という名称は、いつ生まれたか 1-5 美術解剖学の内容 1-6 美術解剖学の教材 1-7 教科書の選び方 1-8 解剖図の描画方法 1-9 解剖図の種類 1-10 美術解剖学は「How to draw」ではない 1-11 内部を見る目、表面を見る目 1-12 人体における遠近法 1-13 つながりを知る目 1-14 形態を発見する感性 1-15 理想美と現実美 1-16 人体を表現することの深さ 第2章 ある美術解剖学者の記録 2-1 なぜ美術解剖学を学ぶようになったのか 2-2 止むに止まれぬ興味 2-3 解剖させていただく人の人生 2-4 死後の世界 2-5 形を追う作業 2-6 常識を上回る自然の形態 2-7 関係のない痛み 2-8 結合組織取りの夢 2-9個性と無個性 2-10 解剖学で表現は上達するのか 2-11 我々を操る本体 2-12 二度目の解剖体験 2-13 研究テーマ探し 第3章 人体の名(めい)勝(しよう) 3-1 解剖図の姿勢 3-2 骨および骨格について 骨のオリエンテーション 胸郭と骨盤の隙間 脊柱のカーブ 脊柱の屈曲と伸展 3-3筋について 筋の構造 腱の走行 筋の圧痕 筋の断面 筋のフットプリント ダ・ヴィンチ筋 3-4 体表について 体表と内部を見比べる 体表のくぼみ 腋窩 3-5 体型について 太った人の骨格 体幹の大きさ アルファ体型 3-6 骨と筋以外の構造について 外形に影響する筋膜 リシェ支帯 喉頭 皮静脈??描かれる血管 皮静脈の膨らみ クリーチャーのための資料 3-7 解剖学について トリミングとレイアウトのセンス 解剖図における鑑賞者との距離 挿絵とトリビア 各部位の名称と階層構造 触覚から得られる情報 不自然を自然にする 3-8 造形について 多視点をつなぐ 新しい技術の獲得 実際よりも大きな手 性差のない表現 頭と体を付け替える 造形の類似 神が観ている背中 第4章 美術解剖学の歴史を築いた人物たち 4-1 レオナルド 4-2 ミケランジェロ 4-3 デューラー 4-4 ヴェサリウスとティツィアーノ 4-5 アルフェとクーザン 4-7 レンブラントとホーホストラーテン 4-7 ルーベンス 4-8 アルビヌス 4-9 ハンター(兄) 4-10 ウードン 4-11サルヴァージュ 4-12 ジェルディとフォー 4-13 ハルレスとルカ 4-14 マーシャル 4-15 デュヴァルとキュイエ 4-16 リシェ 4-17 ヘラー 4-18 ヴァンダーポール 4-19 ジェロタとブランクーシ 4-20 ドン・ティベリオ 4-21 ランテリ 4-22 エレンベルガーとディットリッヒ 4-23 リマー 4-24 ブリッジマンとヘイル 4-25 モロー 4-26 モリール、タンク、バメス 4-27 日本の美術解剖学 著者略歴 加藤 公太【著】 1981年東京都生まれ。美術解剖学者、メディカルイラストレーター、グラフィックデザイナー。2002年、文化服装学院 服装科卒業。2008年、東京藝術大学 デザイン科卒業。2014年、東京藝術大学大学院 美術解剖学研究室修了。博士(美術、医学)。現在、順天堂大学 解剖学・生体構造科学講座 助教、東京藝術大学 美術解剖学研究室非常勤講師。Twitterでは「伊豆の解剖学者(@kato_anatomy)」として美術解剖学に関する情報を発信している。
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13(サーティーン)
¥3,190
ISBN:9784798701776 内容紹介 「指は曲がっていても 天をさすには少しの不自由も感じない」(志樹逸馬) ??隔離の中で生まれた詩(ことば)と失われゆく記憶を残すために 明治以降、約90年続いた隔離の歴史。 全国に13ある国立ハンセン病療養所には、その記憶を色濃く残した「風景」と その中でしか生まれえなかった「言葉」がある。 8×10や35mmのフィルムカメラを携え、3年を掛けて全国の療養所を訪れた石井正則は そこで感じた「空気」を写真に収めてきた。 カラーフィルムで撮影した約100点の写真に、入所者の方々の力強い詩 23篇を掲載。 木村哲也氏(国立ハンセン病資料館学芸員)による、ハンセン病政策と療養所の歴史についての解説も収録する。 【掲載詩】 国本昭夫「妹の手紙を見て」 久保瑛二「心のたより」 水野きよし「母」 塔和子「金魚」 厚木叡「伝説」 森春樹「微笑まなかった男」 秋田穂月「島の火葬場にて」 中石としお「石女」 北浜知代「解剖」 島村静雨「海と断層」 C・トロチェフ「びよういんのさくら」 越一人「栗生望学園」 近藤宏一「舌読」 西羽四郎「癩憲章」 森中正光「指」 戸田次郎「解剖室の感想」 福寿美津男「特別病室」 藤本とし「呼吸のおくで」 島田等「橋」 谺雄二「ライは長い旅だから」 堂崎しげる「ひかりについて」 志樹逸馬「曲った手で」 島比呂志「病める樹よ」 著者略歴 石井 正則【著】 1973年、神奈川県生まれ。94年、お笑いコンビ「アリtoキリギリス」としてデビュー。ドラマ『古畑任三郎』への出演をきっかけに、コンビ解散後も俳優として数々のドラマ、映画、舞台などの作品に出演。『Mr.サンデー』のナレーターなども務める。自転車や喫茶店めぐり(全国2400件以上)など、多彩な趣味を持つことでも知られる。著書に『駄カメラ大百科』(徳間書店)がある。 中古の二眼レフを購入したことをきっかけに、フィルムカメラの世界に魅せられ本格的に写真を始めた。本写真集に掲載の作品は、プライベートの時間に全国13カ所の国立ハンセン病療養所を訪れ、8×10大判カメラや35mmフィルムカメラで撮影したもの。2020年2〜5月、国立ハンセン病資料館にて写真展「13〜ハンセン病療養所の現在を撮る〜」を開催。
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現実を解きほぐすための哲学
¥2,640
ISBN:9784798701769 内容紹介 性差、人種、親子、難民、動物の命について?? いま、世界には社会の分断を生む問題が山積している。 こうした問題についての議論は、往々にして、それぞれの立場から非難の応酬になりがちだ。 では、意見の異なる人と対話し、世の中をより良くしていくためには、何が必要なのだろうか? 著者は、一人ひとりが「自分の頭で考える」こと、そして「かわるまでわかる」ことが大切だと説く。 網の目のように複雑にからまった現実を、どのように解きほぐすことができるのか。 それぞれの問題について、丁寧な思考の歩みを示していく。 哲学は、偉大な学者の言葉や思想をありがたがることではなく、現実に向き合うことから始まる。 本当の意味で考えるための入門となる一冊。 「考えることは、しんどい。 けれども、物の見方が変わる面白さを味わえる」 ??古田徹也 氏(東京大学准教授)推薦! 目次 序章 「自分で考える」とはどういうことか? 経験から出発する??分析の手がかり 現実を解きほぐす??分析の手法 問いに身を晒す??分析の目標 第1章 性差??なぜ、哲学にフェミニズムが必要なのか? 男女平等についての「建前」と「本音」 1 差別とは何か? ・日本における男女格差の現状 ・「差別」とたんなる「区別」の違いとは? ・日常にはびこる「差別的言動」 ・フェミニズムはすべての人のためにある 2 私たちは、どのように男女を見分けているのか ・性差別は簡単に論破できる? ・性差の類型的な知覚とは ・女性の身体経験を考える??「女の子投げ」と「月経」 3 男性とフェミニズム ・男性も家父長制によって抑圧されている? ・お膳立てされた男らしさ ・誰が男らしさを求めているのか? ・フェミニズム的男らしさの可能性 第2章 人種??黒人の肌は本当に「黒い」のか? 日本人と人種差別 1 人種と人種差別 ・見える差異と見えない差異 ・人種という概念の誕生 ・人種は科学的に存在するのか? 2 人種という経験 ・人種として見るとはどういうことか ・人種化する知覚の特徴??受容性の制限と人種の自然化 ・日本における人種差別??「ハーフ」の差別経験をもとに 3 「黄色人種」としての日本人 ・「黄色人種」の自認 ・黄色人種への差別 ・日本の人種的マジョリティの人種経験 ・人種差別的な習慣を変えるには 第3章 親子??何が「子どものため」になるのか? 親子関係を哲学する 1 親にとって子どもとは? ・「子どもをもつ」ことは何を意味するか ・生まれてくる子どもの私物化 (a)家族とクラブ??新型出生前診断 (b)子どもと製作物??デザイナーベイビー ・生まれてきた子どもの私物化 (c)しつけと虐待??子どもの唯一的な価値の毀損 (d)パターナリズムと過干渉??自律性の毀損 ・「親である」ことと「親になる」こと 2 子どもにとって親とは? ・子どもは生みの親のもとで育つべきか ・アイデンティティと親を知ること ・生物学上の親にこだわる必要はない??「自然な核家族」図式に抗して ・出自を知る権利を認めるべきか? ・自己の物語を語り直す 第4章 難民??受け入れるべき責任を負うのは誰か? 「受け入れない」に限りなく近い日本 1 難民問題とは何か? ・難民と移民の違い ・難民問題の現状 ・難民受け入れにまつわる様々な誤解 2 難民受け入れの根拠をめぐる議論 ・難民発生は誰のせいなのか? ・難民受け入れの利害とは? ・難民は基本的人権を侵害されているか? 3 難民に対する責任? ・責任の受動性と無起源性 ・責任から目を逸らす習慣 ・私たちの「冷ややかさ」 第5章 動物の命??肉を食べることと動物に配慮することは両立しうるのか? 肉食反対派と擁護派の埋めがたい溝 1 人間は「種差別」主義者である??シンガーによる肉食批判 ・種差別とは何か? ・工場畜産と動物実験に対する批判 ・能力による命の序列化 2 人間と動物は違うということの意味??ダイアモンドによるシンガー批判 ・肉食と人食 ・動物への配慮は規範の問題なのか? ・動物に対する見方を変える ・「価値観の違い」を越えて 3 人間の命と動物の命 ・人間主義と人間中心主義との違い ・すでに死んでいる動物への配慮 ・ペットの命から考える ・肉を食べるとは、いかなることか? 著者略歴 小手川 正二郎【著】 國學院大學文学部准教授。1983年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程修了。博士(哲学)。専攻はフランス近現代哲学、現象学。現象学の観点から、性差・家族・責任などの問題に取り組んでいる。著書に『甦るレヴィナス?「全体性と無限」読解』(水声社)、共著に『フェミニスト現象学入門?経験から 「普通」を問い直す』(ナカニシヤ出版)、共訳書に『評伝レヴィナス? 生と痕跡』(慶應義塾大学出版会)など。
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信長
¥1,980
ISBN:9784798701752 内容紹介 信長が時代をつくったのではなく、時代が信長を要請した 残虐、勤王、革新、そしてその否定……。時代によって移り変わる信長の評価だが、歴史学が示すべきは「なぜ、信長によって戦国時代は終焉を迎えたのか」という問いへの答えだ。 そう考えるのは、信長を英雄視することでも、普通の大名であると単に旧説を否定することでもない。後に江戸幕府となっていく、ひとつの大きな権力が準備される過程で、信長という存在が生まれてきた。それは、信長の個性が時代をつくったのではなく、時代が彼を要請したのだと捉えられる。本書はそうした歴史の構造を明らかにするものである。 宗教、土地、軍事、国家、社会から見た「歴史的人間」としての信長の姿を日本史の中に位置付ける。 目次 序 なぜ、いま「信長」を考えるのか 信長は革新的な人物か、普通の大名か 「歴史的人間」としての信長 信長の生涯 第一章 信長と宗教 比叡山焼き討ちのむごさ 耐用年数を超えていた既成仏教 神秘主義から合理主義へ 信長の敵は誰か 高野山の生産構造 一向宗と一神教の共通点 信長はなぜ一向宗を敵視したのか 信長は宗教に寛容だったか 神になろうとした信長 第二章 信長と土地 「公地公民」というフィクション 開発領主とは何か 武士の誕生 荘園はなぜ生まれたか 鎌倉幕府はなぜできたか 幕府が土地を与えるカラクリ 土地から貨幣へ 非常に狭かった室町幕府の統治範囲 戦国大名の誕生 信長・秀吉の一職支配 自由と平等はいかにして生まれたか 第三章 信長と軍事 長篠の戦いにおける「鉄砲」の意味 何が戦国時代を終焉させたか 兵種別編成の可能性 兵種別編成の威力を「実験」してみる 桶狭間の戦いでいたかもしれない「プロの戦闘集団」 サラリーマン化する武士 土地よりも茶碗を欲しがった滝川一益 鉄砲と経済力の関係 信長はどうやって鉄砲を調達したか 城郭と天守閣という発明 秀吉のロジスティクス 勝つべくして勝っていた信長 第四章 信長と国家 信長の花押の秘密 日本はひとつの国か 日本に古代はあるか 日本の成り立ちを考える 東北・関東は「国外」だった さらに縮まる平安時代の日本 鎌倉・室町時代の関東と都 東北でのデタラメな人事 戦国時代に生まれた「おらが国」 「天下布武」の意味 関ヶ原の戦いの謎 第五章 信長と社会 戦国時代はパラダイスだったか 神(しん)君(くん)伊賀越え——なぜ家康はそんなに苦しんだのか 廃仏毀釈の真相 『政基公旅引付』に描かれた農民の交渉力 農民たちのシビアな現実 税のシステムで「公平」を実現した信長 終章 歴史的人間とは何か 源頼朝と義経の関係 歴史を動かすのは何か 鎌倉から室町へ、時代の移行を読み解く なぜ歴史学は明治の花形だったのか V字型歴史観への疑問 信仰としての皇国史観 戦後の唯物史観 歴史嫌いを増やした戦後の教育 歴史学の現在 再考する、歴史的人間とは何か 歴史的人間としての信長 著者略歴 本郷 和人【著】 1960年東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。文学博士。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。石井進氏、五味文彦氏に師事。専攻は日本中世政治史、古文書学。『大日本史料』第5編の編纂に携わる。NHK大河ドラマ「平清盛」の時代考証を務めるなど、歴史を広く伝える活動も行う。著書に『天皇の思想』(山川出版社)、『日本史のツボ』(文春新書)、『乱と変の日本史』(祥伝社新書)、『日本中世史の核心』(朝日文庫)など。
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生きることの豊かさを見つけるための哲学
¥1,760
ISBN: 978-4-7987-0174-5 内容紹介 ■頭で考えていても、人生の悩みは解決しない。 現代はストレス社会だと言われます。働き方改革が必要とされるくらいに皆が過労に悩み、あるいは人生が何となく満たされないという「生きづらさ」を抱えている人も多いようです。では、私たち現代人にとって、日々の幸せはどうしたら実現できるのでしょうか? 本書は、著者がこれまで研究してきた哲学・教育学・身体論を手掛かりに、生きることの豊かさを感じるためのヒントを探るものです。 西洋で生まれた近代合理主義は、科学を発達させ、私たちの生活を物質面で豊かにしました。その反面、近代人はいわゆる「頭でっかち」の状態になり、「悩み」という袋小路におちいりやすくなってしまいました。 そこで、本書ではデカルト以降の西洋近代の思想の流れを追うことで、その行きづまりの原因を探ります。そして、なぜ現代人にとって「身体感覚」を取り戻すことが重要かを、メルロ=ポンティの現象学的身体論や武士道、呼吸法などを参照して解き明かします。 身体を変えれば、この世界はこんなにも豊かに感じられる。実は、豊かさとは、すでに目の前に広がっているものなのです! 現代人のための「生き方の技法」を学べる一冊。 目次 第1章 生きることの豊かさを感じるために必要なこと いつの時代も「憂き世」は変わらない? 「生きづらさ」の正体 世界の豊かさに気づく「技」 情報化社会が「初めて」の体験を奪う 面白さを五感を通して味わう 「遊び」と「笑い」という人間の本質 スポーツ観戦で起こる「身体の感情移入」 案内者の重要性 実は知られていない学校のすごさ 職業も身体感覚で選ぶ 誰も身体の使い方を教えてくれないという不満 身体的経験を通して豊かさを発見する 幸せのスイッチ 現代人は「頭でっかち」の状態 失われた日本人の身体性 人間中心の考え方をやめてみる 第2章 心と身体――西洋近代を追体験してみる 西洋近代を克服するために われ思う、ゆえにわれあり デカルトによる考え方の技化 自分の中に「近代的自我」を確立する 西洋哲学における身体の見直し ニーチェが宣言した肉体の復権 芸術家は身体の声を聴く 人はこの世界をどのように認識しているのか 私にとってのリンゴと他人にとってのリンゴは違う? 世界を見ることは哲学であり、芸術である 身体と世界の出会い方 「習慣」を哲学的に考察すると 見ることは触れることと同じ メルロ=ポンティから学んだ「スタイル」 「人生のスタイル」を見つけよう 「場の空気」とは「身体の状態感」のこと 「気分」は自分の中だけでなく、世界から生まれてくる 学校と監獄の共通点とは 権力者は身体を通して支配する 合理的思考だけでない理性を見出したレヴィ=ストロース 消費よりも浪費が経済の本質である 第3章 日本人は身体をどのように考えてきたか 武士の身体に学ぶ 武蔵が悟った「空」の境地 ブッダも呼吸で悟りを開いた ヨガの本質を集約した二つのポーズ 道教における気の理論 禅の効用は、フレッシュな身体を持つこと 集中していながらリラックスしている状態 日常のなかに禅を取り入れる方法 「上達」の意味 明治の立役者も心は武士だった 能に受け継がれる身体文化 野口整体――呼吸を通して身体の気をコントロールする 野口体操――身体を通して自己を意識する 呼吸と書いて「コツ」と読んだ勝海舟 「拠り所」をどこに求めればよいか 第4章 教育と生き方の技法 「論より身体」の教育学 教師の身体が変われば、教室が変わる――身体の関係性 関係主義的に考えることのメリット 目に見えない関係性をどのように変えるか 関係の中でこそ個人の価値は生まれる 企業の暗黙知と身体知の関係 心の中で二人の自分が戦っている 「身体のモード」を変えてみる 言葉は身体性と結びついている 世界そのものが感情的である 黙読中心となって失われたもの 食文化と身体性 失われた身体性を取り戻すには 自分が得意な「動詞」を見つける 語彙力の少なさは致命的 「あこがれていく身体」が人の本性 身体への関心の高まり コミュニケーションも身体から 著者略歴 齋藤孝【著】 明治大学文学部教授。1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『声に出して読みたい日本語』(草思社・毎日出版文化賞特別賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス・新潮学芸賞)、『教育力』(岩波新書)、『50歳からの孤独入門』(朝日新書)、『齋藤孝のざっくり!日本史』(祥伝社)など著作多数。
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言葉の服
¥2,970
ISBN: 978-4-7987-0172-1 内容紹介 「見慣れた世界を初めて見るかのように見ている」 ――鷲田清一 氏 衣食住と言われるように、服は人間にとって不可欠なものです。しかし、私たちはいつしか〈ファッション=流行〉としてしか衣服を捉えなくなってしまいました。まして、日本人は近代以降「洋服」を着ることを当たり前のこととしています。では、服飾において私たち日本人が培ってきたものは捨て去られるだけなのでしょうか? 著者は、大学院まで哲学を学び、そこから服飾の世界に転じた後、「日本の美意識が通底する新しい服の創造」をコンセプトとしたブランド「matohu(まとう)」を立ち上げました。その方法は、「言葉から服を生み出す」というものです。 私たちはいま、どのような服を着ているのか。そして、服とは何から生まれるのか。私たち自身の日々の生活を見つめ直すことで、いつしか忘れてしまった「日本の美意識」に気づくことができます。気鋭のファッションデザイナーが紡ぐ、服と生活を考えるための哲学的エッセイ集。 目次 はじめに――いま私たちはどんな服を着ているだろう 第一章 気づきを生かす はじめに「言葉」がある 言葉の矢――ドイツで問われた根本 哲学とファッション 立体裁断、自由の造形 人のうつわ おしゃれの意味 服が生み出す「交わりの場」 「和」という言葉 枯野見――風雅な遊び 「もの」が語る生活の秘密 「衣料危機」って何? 第二章 「日本の眼」で見つめる 「日本の眼」とは何か 「かさね」――季節と色と言葉のデザイン 「無地の美」――無限の味わい 「映り」――取り合わせの不思議 「やつし」――簡素な豪華さ 「見立て」――物の転生 「あわい」――関係性の美学 「尽くし」――豊かさの祝祭 「素(しろ)」――色なき根源の色 「ほのか」――無から出ずるもの 「かろみ」――物数を尽くす 「おぼろ」なる世を愛する 「うつくし」――かわいさと強さ 「いき」――生き方の理想 「かざり」――命の荘厳 「なごり」――終わりと始まり 第三章 日本人のおしゃれ 土方歳三の「いき」 中原中也の「憧憬」 智恵子の素(しろ) 宮沢賢治の「田園」 藤田嗣治の「ミシン」 白洲正子の「プリーツ」 第四章 出会いを生かす――物と人 花鋏と突然の覚悟、心の手について 華やぐ美のひとしずく 九谷焼酒盃 「銘仙」と伝統の泉 「こぎん」を身にまとう 「素型」のデザイン――文化ボディ 偉大なる「ない」のコート 「いき」と国宝の美 風に舞う――能と衣装 日本の美を生きた人 『日本の面影』を旅する 第五章 日々の哲学 日々の哲学 発熱する命 蕎麦屋での思索 「きく」ということ Ⅰ 「きく」ということ Ⅱ 永遠の今 人生を変える言葉 対話と思考 第六章 対話篇――哲学者 鷲田清一と京都を歩く 歩きながら考える なぜ、外国人旅行者は京都できものを着たがるのか? 弓は「私」ではなく「それ」が射る 日本の美意識を西洋哲学の言葉で考えた九鬼周造 和語は現象学に向いている 純粋な日本文化なんてない 「つかう」と「つきあう」 その人にとっての「言葉の服」 待つことなく、待つ 「おしゃれ」の意味 本当におしゃれな人たち おしゃれは「する」のではなく「なる」もの 顔の映り、映える服 服をまとうことで自分が生まれる 西洋的普遍と思われているものの特殊性 見慣れたものを初めて見るかのように見る 服を通じたコミュニケーション 結論の決まっていない対話 著者略歴 堀畑裕之【著】 服飾デザイナー。大阪府堺市生まれ。同志社大学文学部卒、同大学院哲学専攻修了。その後、文化服装学院アパレルデザイン科へ。コム・デ・ギャルソンにて勤務の後、渡英しロンドンコレクションの仕事にたずさわる。帰国後05年に「日本の美意識が通底する新しい服の創造」をコンセプトとしたブランドmatohu(まとう)を関口真希子と共に設立。06年より、東京コレクションに参加。09年、毎日ファッション大賞新人賞、資生堂奨励賞受賞。11年、「慶長の美」展(スパイラル、熊本市現代美術館)。12年、「日本の眼―日常にひそむ美を見つける」展(金沢21世紀美術館)など美術館での展覧会も行なっている。
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死者の民主主義
¥2,310
ISBN: 978-4-7987-0173-8 内容紹介 人ならざるものたちの声を聴け 20世紀初めのほぼ同じ時期に、イギリス人作家チェスタトンと、当時はまだ官僚だった民俗学者の柳田国男は、ほぼ同じことを主張した。それが「死者の民主主義」である。 その意味するところは、世の中のあり方を決める選挙への投票権を生きている者だけが独占するべきではない、すなわち「死者にも選挙権を与えよ」ということである。 精霊や妖怪、小さな神々といったものは、単なる迷信にすぎないのだろうか。 それらを素朴に信じてきた人びとこそが、社会の担い手だったのではなかったか。 いま私たちは、近代化のなかで見過ごされてきたものに目を向け、 伝統にもとづく古くて新しい民主主義を考えなければならない。 死者、妖怪、幽霊、動物、神、そしてAI…… 人は「見えない世界」とどのようにつながってきたのか。 古今の現象を民俗学の視点で読み解く論考集。 〔本書に登場するものたち〕 柳田国男、南方熊楠、宮本常一、今和次郎、ギルバート・K・チェスタトン、網野善彦、宮沢賢治、谷川健一、諸星大二郎、道祖神、河童、天狗、ザシキワラシ、潜伏キリシタン、仙童寅吉、熊、猫、アイボ、VTuber、浦野すず、飴屋法水、齋藤陽道…… 目次 Ⅰ 死者の民主主義 いまこの国には「死者のための民主主義」が必要である 「死者を会議に招かねばならない」 祖霊の政治参加を促す 妖怪や精霊にも選挙権を 「死者の立憲主義」 南方熊楠の戦い 「平凡人は人生を内側から見ている」 「私は死んだのですか?」――大震災をめぐる「幽霊」と「妖怪」 私たちは数多くの「死霊」と出会ってきた さまざまな霊魂譚 あの世からの伝言 新たな妖怪伝承は生まれるのか 妖怪と公共 柳田国男の妖怪体験 さまよう妖怪 妖怪の発展と発見 死者に「更衣」した大勢の若者たち――渋谷のハロウィンをめぐる考察 ハロウィンの起源と日本での大流行 カボチャとカブと大根 「死の仮装」が意味すること スクランブル交差点の「彼岸」 日本の祭はどこにあるのか 祭は発見される 「雪祭り」と「盆踊り」 盆踊りの現代化 祭は更新される Ⅱ 人はなぜ「怪」を見るのか 諸星大二郎論序説 モノと構造 人間と機械、人間と動物の融合 ITと怪異現象――二一世紀の妖怪を探して 噂を広める、情報系妖怪「件」 目に見えない凶暴な感情が広まり、共有されていく 人と人をつなぐ、目に見えない綱「キズナ」。 VTuberは人形浄瑠璃と似ているか? ぎこちない動きが心を揺さぶる 社会との絶妙なバランス 江戸時代から続く「日本人のVR羨望」 ツイッターから話題になった江戸の奇談 超常世界と超能力への関心 異界を体験し、超能力を身につけた少年 宇宙体験の真実 テクノロジーの開発と感覚の拡張 アイボの慰霊とザギトワへのご褒美 ペットロボットの献体とお葬式 日本人はどんなふうに動物を供養してきたか アリーナ・ザギトワと日本の忠犬 犬を神に祀る神社 AIの墓場はどこにあるか あなたは飴屋法水の『何処からの手紙』を見逃すべきではなかった 郵便局から届いた「物語」 語り出す「木」や「神様」 「いとおごそか」な神 無数のなかの、わずかのひとつ ニンゲンがつくった神様 「まれびと」としての写真家――齋藤陽道展「なにものか」 『この世界の片隅に』は妖怪映画である 方言とカタストロフ 「かまどの煙」が意味するもの 広島は「死んだ人のゆくところ」 原作に活かされていた「考現学」 Ⅲ 日本人と信仰 縄文と民俗の交差点――八ヶ岳山麓の「辻」をめぐって 南大塩の辻 山寺の辻 御座石の辻 米沢の辻 熊を神に祀る風習 クマの神籬 クマの民俗 クマの祭祀 クマの童話 クマの置きもの 窓いっぱいの猫の顔 移住漁民と水神信仰 摂津国佃村漁民の移住 さまよう「水神」 波除様の魚介供養碑 佃煮と佃門徒 「つきじ獅子祭」の合同渡御 「休日増」を勝ちとった江戸時代の若者たち 日本人の長時間労働と勤勉性 沸きおこった「遊び日」の要求 若者たちが獲得した休日の実態 オンとオフの絶妙な切り替え 『沈黙』のキリシタンは、何を拝んでいたのか? 「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」 カトリックとは相いれない信仰 「キリシタン神社」とは何か 日本人の信仰の「縮図」 戦後日本「初詣」史――クルマの普及と交通安全祈願 近代初詣の誕生 「成田山」の戦中と戦後 自動車祈祷殿の流行 交通安全と初詣の未来 大阪万博と知られざる聖地 五五年越しの開催 千里丘陵という地勢 ヘリコプターからお祓いをした地鎮祭 「太陽の塔」と千手観音 日本人にとって「結び」とは何か――正月飾りに秘められた驚きの科学 日本古来の「結び」文化 家紋や社紋と結びの多様性 「あみだくじ」を幾何学から捉える 日常に遍在する「結び」の数々 Ⅳ さまざまな民俗学 手帳のなかの庚申塔――宮沢賢治と災害フォークロア 賢治と地震と地震 ザシキワラシと白髭水 七庚申と五庚申 「青」のフォークロア――谷川健一をめぐる風景 若狭の「青」 志摩の「青」 対馬の「青」 「青」の現在 写真と民俗学者たち 「民俗と写真」座談会 土門拳と柳田国男 柳田国男の写真 写真と柳田の弟子たち 東北に向けた考現学のまなざし――今和次郎と今純三 「百姓」のフォークロア――網野善彦の歴史学と「塩・柿・蚕」 百姓再考 塩 柿 蚕 著者略歴 畑中章宏【著】 1962年、大阪生まれ。作家、民俗学者。『災害と妖怪』『津波と観音』(亜紀書房)、『ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか』『蚕』(晶文社)、『柳田国男と今和次郎』『『日本残酷物語』を読む』(平凡社新書)、『天災と日本人』(ちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)など著作多数。
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ほんとうの道徳
¥1,760
ISBN: 978-4-7987-0171-4 内容紹介 そもそも道徳教育は、学校がするべきじゃない! 2018年度に小学校、2019年度には中学校でも、道徳が「教科」となった。 学習指導要領は「家族愛」や「生命の尊さ」「国や郷土を愛する態度」など22の「価値」を教えるということを掲げている。しかし、ある価値観を教えるというのが、果たして「正しい教育」なのか? 現場の先生にとっても悩み多き問題だ。 そもそも、「道徳」は教え、評価できるようなものなのか? 著者はその問いに否定的だ。学ぶべきは道徳ではなく「市民(シチズンシップ)教育」であり、それはすなわち相互承認に基づく「教養」だと考える。 では、その中身とはどのようなものだろうか。 それを考えるには、道徳とはそもそも何なのかを知る必要がある。実は、この答えは古くから哲学者たちが突き詰めて考えてきたことなのだ。 道徳の授業なんて、「いい子」ぶった答えをしていればよい。 ――そんな授業はもう終わりにしよう。 気鋭の哲学・教育学者が、道徳の本質をわかりやすく解き明かし、来るべき教育の姿を構想する。 道徳副読本として教師や親、子どもたちも使える「理想の道徳教科書」となる一冊。 装丁:クラフト・エヴィング商會 著者略歴 苫野一徳【著】 1980 年兵庫県生まれ。熊本大学教育学部准教授。哲学者、教育学者。主な著書に、『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『教育の力』(講談社現代新書)、『「自由」はいかに可能か』(NHKブックス)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマー新書)、『「学校」をつくり直す』(河出新書)がある。幼小中「混在」校、軽井沢風越学園の設立に共同発起人として関わっている。
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幸福と人生の意味の哲学
¥2,640
ISBN: 978-4-7987-0170-7 内容紹介 「絶望することにも絶望するとき、私たちは『幸福という神秘』に包まれる」 ――中島岳志 氏 推薦! 「不幸なのに、どうしようもなく苦しいのに、死んだ方が楽であるのに、 なぜ生きていかねばならないのか?」 ……そう問う人に、あなたならどう答えるか。 身近な人の死や貧困、いじめ、そして大きくは戦争や自然災害など、この世は苦痛や痛みで溢れている。 もちろん、比較的幸福な人生を送る人も少なからずいるだろうが、その人たちとていつか不幸に陥るかもしれない。 そもそも他人から見て「幸福」な人生であったとしても、「何のために生きているのか」という人生の意味に悩まされるのが人間だともいえる。その点で、幸福と人生の意味とは密接に関連している。 では、いったい幸福とは何か? 人生の意味とは何なのか? 本書は、そうした問いに哲学の観点から答えようとするものである。 人は誰も「不幸の可能性」から逃れられない。 「どうせ死ぬのだから、人生は無意味だ」ということも、哲学的には正しい。 しかし、その「絶望」を超えて、なお人生が生きるに値すると示しうるならば、それはどのようにしてか。 パスカル、カント、ウィトゲンシュタイン、ネーゲル、中島義道、長谷川宏、船木英哲ら古今の思想家やトルストイ、カミュ、中島敦ら文学者の言葉を手掛かりに、私たち一人ひとりが人生と向き合うための思考の軌跡を示し、哲学の新たな可能性を拓く。 目次 はじめに 第1章 幸福の難しさ 第1節 幸福のどうにもならない側面 (1)この世の不幸 (2)なぜ生きていかねばならないか (3)幸福の外在的側面 (4)幸福と幸運 第2節 幸福の内面化 (1)「外在的幸福」の不安定さ (2)ストア派の幸福論 (3)不幸は考え方次第なのか (4)意のままにならぬ内面――回復と時間 第3節 幸福の幻想性と脆弱性 (1)幸福のうちに見出される傷 (2)生きることと苦しめること (3)〈幸福〉と〈現実から目を逸らすこと〉 (4)パスカル・ラッセル・長谷川の幸福論 第2章 人生の無意味さ 第4節 死と人生の意味 (1)幸福をめぐる問題と人生の意味をめぐる問題 (2)人生と世界の違和感 (3)どうせ死んでしまう (4)生きてる間は楽しまなくっちゃ 第5節 国家や歴史は人生に意味を与えるか (1)人生の意味と人間を超えた何か (2)人生の意味と自殺 (3)国家・歴史・人生の意味 (4)人間がもつ〈一歩退く〉という知的能力 (5)国家や歴史を相対化しうることの必然性 第6節 物質と〈ただ在るに過ぎないこと〉――世界は絶対的に無意味か (1)人生の意味と唯物論の問題 (2)一切はただ在るに過ぎない (3)存在の脱意味化 (4)船木英哲の絶対的無意味 第3章 有意味さの不可避性と相対性 第7節 人生の不条理とアイロニーを伴った生き方 (1)絶対的な無意味さの不可能性 (2)人生の意味と無意味をめぐる不条理 (3)この不条理な生をどう生きるか――アイロニーの勧め (4)李陵のアイロニカルな生き方 第8節 アイロニーと人生の意味 (1)自分自身の価値観との距離 (2)アイロニストがテロや暴力に反対する際の〈どっちつかずさ〉 (3)渡部昇一のアイロニー欠如 (4)アイロニーの意義 (5)アイロニーと人生の意味 第9節 「有意味な生とは何か」への応答 (1)語りえぬものを大切にする姿勢 (2)直接語らないこと (3)メッツ批判 (4)伊勢田批判 (5)戸田山批判 第4章 幸福の可能性と現実性 第10節 幸福と語りえぬもの (1)森村への「複層的」批判 (2)「分からない」という結論 (3)書かれている以上のことが何も染み出してこない (4)すべてが美しい 第11節 超越的幸福 (1)〈眼前に現れうるもの〉と〈超越〉の区別の重要性 (2)幸福と不幸を世界内部的な基準で測ることの問題点 (3)幸福の可能性 第12節 信仰の重要性 (1)現実から目を逸らさぬこと (2)信仰の重要性 (3)信仰とアイロニー 第13節 人生が幸福という意味をもつことを―― (1)幸福こそが人生の意味である (2)超越の光に照らされて (3)永遠の相の下に (4)時間と事実
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葵のようなあなた
¥440
ISBN: 978-4-7987-0109-7 内容紹介 死期の迫る恋人に向かって、ともに良く生きようと切々と訴えかける「葵のようなあなた」、子供時代の空想に満ちた豊かな孤独を蘇えらせる散文形式の「誰もいない教室」など、溢れる叙情を美しい情景に載せて詠む9篇の詩。 著者略歴 都 鍾煥【著】 1954 年、忠清北道清州生まれ。忠北大学卒、忠南大学博士課程修了。文学博士。1984 年、「コドゥミ村にて」で詩壇に登場、教職のかたわら詩作を続ける。新婚の妻を失い、全国教職員労働組合を組織したため教壇を追われ、十年後に復職するも病を得て再び教壇を離れた。申東曄創作賞、民族芸術賞、鄭芝溶賞などを受賞、韓国民族芸術人総連合、民族文学作家会議、韓国作家会議などの要職を歴任した。詩集『コドゥミ村で』『葵のようなあなた』『あなたは誰ですか』『柔らかい直線』『悲しみの根』など。散文の著作も多い。 吉川 凪【翻訳】 大阪生まれ。新聞社勤務を経てソウルの延世大学語学堂に留学の後、仁荷大学国文科大学院で博士号取得。日本と韓国の近代文学に関する論文を執筆。現在は翻訳業のかたわら複数の大学で非常勤講師を務めている。著書『朝鮮最初のモダニスト鄭芝溶』(土曜美術社)、訳書『ねこぐち村のこどもたち』(廣済堂)など。
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あの家の前
¥440
ISBN: 978-4-7987-0110-3 内容紹介 母親の最期を養女のKに看取らせた私は、恐ろしいたくらみを持って接してくるKを避けることができない。今はカメラマンになっている彼女は私を砂漠に誘い出し、油断させて私を捨て去る。読む者の内側にせり上がる恐怖。 著者略歴 崔允【著】 1953 年、ソウル生まれ。西江大学卒業後、プロバンス大学で博士号取得。78 年に評論で文壇に登場し、88 年に発表した小説「彼方で音もなくひとひらの花びらが散り」が高く評価され本格的な創作活動に入る。抑制のきいた美しい文体と観念的なテーマで多くの読者を得ている。小説集『ささやき、ささやき』『十三種類の名の花の香り』、長編『君はもはや君ではない』『冬、アトランティス』『マネキン』、散文集『はにかむアウトサイダーの告白』など。東仁文学賞、李箱文学賞、大山文学賞などを受賞。文芸評論、韓国文学の仏訳でも名高い。現在、西江大学フランス文化学科教授。 吉川 凪【翻訳】 大阪生まれ。新聞社勤務を経てソウルの延世大学語学堂に留学の後、仁荷大学国文科大学院で博士号取得。日本と韓国の近代文学に関する論文を執筆。現在は翻訳業のかたわら複数の大学で非常勤講師を務めている。著書『朝鮮最初のモダニスト鄭芝溶』(土曜美術社)、訳書『ねこぐち村のこどもたち』(廣済堂)など。
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イリーナの帽子 中国現代文学選集
¥2,200
ISBN: 978-4-7987-0111-0 内容紹介 鉄凝(ティエ・ニン)、莫言(モー・イェン)ら中国の代表的現代作家の自選作品集。5つの短編、1つのエッセイ、1つの詩篇を、作家別6分冊に収める。中国の人々の喜怒哀楽や生活の実像、人物像を描き出す。解説=島田雅彦。 目次 【収録作品】 『イリーナの帽子』 鉄 凝[著] 飯塚容[訳] 飛行機の中でふと目にした子連れの人妻と男のささやかな戯れ、大胆にトイレに消えてゆく二人の男、スタイリッシュな叙述と微笑を誘う比喩を駆使してありふれた日常の断面を鋭く切り取る。あまりにも鮮やかなラストシーン。 『犬について、三篇』 莫 言[著] 立松昇一[訳] 土俗的、神話的な作品を生み出す現代中国の代表的な作家の、諧謔にみちたエッセイ。犬は何でもわかっているが、容易に心の内を明かさず馬鹿な振りをしている。さまざまな犬たちとそれに関わる体験が、苦い笑いを醸し出す。 『賀家堡・塀を作る』 石舒清[著] 水野衛子[訳] 罪深い思いから孫を出家させようとする一族の長老、楊万生の話(「賀家堡」)。一家で果樹園の塀を作っているとき、誤って子供を死なせた男のとった行動とは(「塀を作る」)。回族の生活習慣に題材をとった不思議な味わいの2篇。 『喜怒哀楽』 金 勲[著] 時松史子[訳] 腫瘍の検査のために病院に入った4人の若者たち。それぞれが喜怒哀楽の物語を語り、肉体がぶつかり合う。日本文学から消えて久しい、往年の石原慎太郎を思わせるアクション小説。騒々しくも溌剌とした情感溢れる青春群像。 『西湖詩篇』 盧文麗[著] 佐藤普美子[訳] 「もしもあなたが月ならば 私はあなたを映す深い淵になりたい」。中秋の夜、月光と輝く湖面の天地が溶け合う情景の中に、恋人への思いを詠んだ「三潭印月」など、唐代の漢詩の伝統を思わせる叙景描写に、深い情感を込めた4つの詩篇。 『エマーソンの夜』 蘇 徳[著] 桑島道夫[訳] エマーソンと名づけた台風の夜に一人の女が独白を始める。父親が汚職に巻き込まれたため、やむを得ず恋人を罪に追いやった女友達の死。私が語るその真相。政治の季節が終わった後、都市生活を享受し始めた人々の倦怠感に彩られた愛。 『中国現代文学選集解説 我らが隣人の日』 島田雅彦[著] 著者略歴 島田 雅彦【著】 1961年生まれ。83年、「優しいサヨクのための嬉遊曲」でデビュー。84年、『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、92年、『彼岸先生』で泉鏡花文学賞受賞。著書は『無限カノン3部作』(『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』)ほか多数。現在、法政大学国際文化学部教授。中国・韓国の作家たちと親しく交流し、日中韓東アジア文学フォーラム2010in北九州の代表を務める。 鉄 凝【著】 1957 年、北京生まれ。75 年デビュー。河北省作家協会主席、中国作家協会副主席歴任の後、茅盾、巴金の後を継いで2006 年に作家協会主席に選出された。魯迅文学賞をはじめとして国家指定主要文学賞を6 回、各文芸誌の文学賞を30 回余り受賞。長編の代表作に『薔薇の門』『大浴女』、中短篇作品に『おお、香雪』『十二夜』『赤い服の少女』『向かい側』など。主要作品は英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、日本語、韓国語、スペイン語、デンマーク語、ノルウェー語などに翻訳されている。邦訳に『大浴女 水浴する女たち』『棉積み』『第八曜日をください』など。 莫 言【著】 1955 年、山東省生まれ。解放軍芸術学院文学科卒業、北京師範大学魯迅文学院修了。81 年デビュー。故郷を背景に、性欲、物欲、残酷性など人間の醜い内面を時には残酷に、時には敍情的に描く。86 年発表の『赤い高梁』が張芸謀監督によって映画化され、同年のベルリン映画祭で黄金熊賞を受賞。主な作品に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』『四十一炮』『転生夢現』など。主要作品はフランス、ドイツ、日本、韓国など各国で翻訳され、国内の文学賞のほか、台湾の聯合報文学賞、フランス文化芸術勲章シュバリエ賞、イタリア・ノニーノ国際文学賞、福岡アジア文化賞大賞などを受賞。 石 舒清【著】 1969 年、寧夏・海原県生まれ。回族。寧夏作家協会主席。短篇『水の中のナイフ』で小説選刊賞と第2 回魯迅文学賞を受賞。短篇『清潔な日』『たそがれ』でそれぞれ第7 回、第8 回十月文学賞を受賞。短篇『果実の庭』で第3 回人民文学賞を受賞。『苦土』『陰の力』でそれぞれ第5 回、第8 回の全国少数民族駿馬賞を受賞。作品はフランス語、日本語、ロシア語に翻訳されている。 金 勲【著】 1955 年、吉林省生まれ。朝鮮族。延辺大学朝文系、北京映画学院戯曲科卒業。中国少数民族作家学会常務理事。72 年デビュー。中・短篇小説『青春舞台』『母の秘密』などのほか、多くの戯曲、テレビドラマ・舞劇脚本を書き『金勲脚本選』がある。ほかにドラマ脚本『蒲公英』、新劇『忘却の人々』、大規模の舞踊劇『天地の仙女』など。中国少数民族文学賞、中国新劇振興賞、中国少数民族脚本優秀賞、全国舞劇創作優秀賞、中国少数民族新劇銀賞などを受賞。 盧 文麗【著】 1968 年、浙江省生まれ。杭州日刊新聞グループ《都市週報》副編集長。著書に『比類ない美しい景色』『親愛なる火炎』『砂時計の舞踊』『やさしい村落』など。ほかに『西湖印象詩100』などの詩集や散文作品がある。浙江省優秀文学作品賞、第2 回中国女性文学賞を受賞、浙江省人民政府の魯迅文芸賞候補となった。 蘇 徳【著】 1981 年、上海生まれ。華東師範大学中国語中国文学部卒業。「80 後」(1980年代に生まれた世代)を代表する女性作家。2001 年から小説を発表、長編作品『レールの上の愛情』『卒業以後、結婚以前』、中短篇小説集『私の荒涼とした額に沿って』『もしものこともなく』などがある。08 年上海市作家協会第一期作家マスタークラスを卒業。09 年8 月から10 月までアイルランドのコーク市にライター・イン・レジデンスとして滞在、コーク大学にて講演「孤独と叛逆—中国青年作家群像—」を行う。 飯塚 容【翻訳】 1954 年、札幌生まれ。東京都立大学大学院修了。中央大学文学部、同大学院文学研究科教授。専門は中国近現代文学、および演劇。著書(共著)に『規範からの離脱—中国同時代作家たちの探索—』『現代中国文化の光芒』など。訳書に余華『活きる』、高行健『霊山』、鉄凝『大浴女』、蘇童『碧奴』などがある。 立松 昇一【翻訳】 1948 年生まれ、東京都立大学大学院中退、大学在学中に郁達夫の存在を知り、中国現代文学に興味を持つ。現在は『中国現代文学』(ひつじ書房)の同人として莫言や蘇童などの小説の翻訳や紹介を行なっている。拓殖大学教授。論文に「郁達夫文学の一側面」、「張資平への言説をめぐって」、翻訳に「疫病神」「月光斬」(共に莫言)、「泥棒」(蘇童)などがある。 水野 衛子【翻訳】 1958 年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。95 年より中国映画の字幕翻訳、99 年より東京国際映画祭の通訳などに携わる。2008 年、第1 回東アジア文学フォーラムの記者会見通訳を務める。訳書に『中国大女優の自白録』(文藝春秋)、『ジャスミンの花開く』(日本スカイツリー)など。著書に『中華電影的中国語』(キネマ旬報社)ほか、共著に『中国語プロへの道』(大修館書店)など。現在、早稲田大学文学芸術院非常勤講師。 時松 史子【翻訳】 1956 年生まれ。成城大学卒業、お茶の水女子大学大学院博士前期課程修了。中国語教授・通訳・翻訳に携わり、翻訳業務では会社諸規約・著作権関係条例・薬事法などのほか、ドラマ・ドキュメンタリーフィルムの字幕や映画ノベライズ作品などを手がける。訳書に『僕の恋、彼の秘密』(竹書房)など。 佐藤 普美子【翻訳】 お茶の水女子大学文教育学部卒業、同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。 博士(人文科学)。現在、駒澤大学総合教育研究部教授。翻訳に「中国伝統詩に探る現代詩の鉱脈—廃名の新詩観—」(孫玉石)、「伯牛、疾有り」(馮至)、「桃畑」(廃名)、「祝宴の後」(沈櫻)、「天河撩乱—薔薇は復活の過去形—」(呉継文)がある。 桑島 道夫【翻訳】 1967 年生まれ。広島大学文学部卒業。94 〜96 年、華東師範大学留学後、東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。現在、静岡大学人文学部准教授。専攻、中国近現代文学、日中比較文学文化。訳書に『上海ベイビー』(衛慧)、『雲上的少女』(夏伊、共に文藝春秋)など。06〜07年、清華大学にて在外研修。第一回東アジア文学フォーラムで逐次通訳、作品翻訳を担当。
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イリーナの帽子
¥440
ISBN: 978-4-7987-0112-7 内容紹介 飛行機の中でふと目にした子連れの人妻と男のささやかな戯れ、大胆にトイレに消えてゆく二人の男、スタイリッシュな叙述と微笑を誘う比喩を駆使してありふれた日常の断面を鋭く切り取る。あまりにも鮮やかなラストシーン。 著者略歴 鉄 凝【著】 1957 年、北京生まれ。75 年デビュー。河北省作家協会主席、中国作家協会副主席歴任の後、茅盾、巴金の後を継いで2006 年に作家協会主席に選出された。魯迅文学賞をはじめとして国家指定主要文学賞を6 回、各文芸誌の文学賞を30 回余り受賞。長編の代表作に『薔薇の門』『大浴女』、中短篇作品に『おお、香雪』『十二夜』『赤い服の少女』『向かい側』など。主要作品は英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、日本語、韓国語、スペイン語、デンマーク語、ノルウェー語などに翻訳されている。邦訳に『大浴女 水浴する女たち』『棉積み』『第八曜日をください』など。 飯塚 容【翻訳】 1954 年、札幌生まれ。東京都立大学大学院修了。中央大学文学部、同大学院文学研究科教授。専門は中国近現代文学、および演劇。著書(共著)に『規範からの離脱—中国同時代作家たちの探索—』『現代中国文化の光芒』など。訳書に余華『活きる』、高行健『霊山』、鉄凝『大浴女』、蘇童『碧奴』などがある。
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犬について、三篇
¥440
ISBN: 978-4-7987-0113-4 内容紹介 土俗的、神話的な作品を生み出す現代中国の代表的な作家の、諧謔にみちたエッセイ。犬は何でもわかっているが、容易に心の内を明かさず馬鹿な振りをしている。さまざまな犬たちとそれに関わる体験が、苦い笑いを醸し出す。 著者略歴 莫 言【著】 1955 年、山東省生まれ。解放軍芸術学院文学科卒業、北京師範大学魯迅文学院修了。81 年デビュー。故郷を背景に、性欲、物欲、残酷性など人間の醜い内面を時には残酷に、時には敍情的に描く。86 年発表の『赤い高梁』が張芸謀監督によって映画化され、同年のベルリン映画祭で黄金熊賞を受賞。主な作品に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』『四十一炮』『転生夢現』など。主要作品はフランス、ドイツ、日本、韓国など各国で翻訳され、国内の文学賞のほか、台湾の聯合報文学賞、フランス文化芸術勲章シュバリエ賞、イタリア・ノニーノ国際文学賞、福岡アジア文化賞大賞などを受賞。 立松 昇一【翻訳】 1948 年生まれ、東京都立大学大学院中退、大学在学中に郁達夫の存在を知り、中国現代文学に興味を持つ。現在は『中国現代文学』(ひつじ書房)の同人として莫言や蘇童などの小説の翻訳や紹介を行なっている。拓殖大学教授。論文に「郁達夫文学の一側面」、「張資平への言説をめぐって」、翻訳に「疫病神」「月光斬」(共に莫言)、「泥棒」(蘇童)などがある。
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賀家堡・塀を作る
¥440
ISBN: 978-4-7987-0114-1 内容紹介 罪深い思いから孫を出家させようとする一族の長老、楊万生の話(「賀家堡」)。一家で果樹園の塀を作っているとき、誤って子供を死なせた男のとった行動とは(「塀を作る」)。回族の生活習慣に題材をとった不思議な味わいの2篇。 著者略歴 石 舒清【著】 1969 年、寧夏・海原県生まれ。回族。寧夏作家協会主席。短篇『水の中のナイフ』で小説選刊賞と第2 回魯迅文学賞を受賞。短篇『清潔な日』『たそがれ』でそれぞれ第7 回、第8 回十月文学賞を受賞。短篇『果実の庭』で第3 回人民文学賞を受賞。『苦土』『陰の力』でそれぞれ第5 回、第8 回の全国少数民族駿馬賞を受賞。作品はフランス語、日本語、ロシア語に翻訳されている。 水野 衛子【翻訳】 1958 年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。95 年より中国映画の字幕翻訳、99 年より東京国際映画祭の通訳などに携わる。2008 年、第1 回東アジア文学フォーラムの記者会見通訳を務める。訳書に『中国大女優の自白録』(文藝春秋)、『ジャスミンの花開く』(日本スカイツリー)など。著書に『中華電影的中国語』(キネマ旬報社)ほか、共著に『中国語プロへの道』(大修館書店)など。現在、早稲田大学文学芸術院非常勤講師。
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喜怒哀楽
¥440
ISBN: 978-4-7987-0115-8 内容紹介 腫瘍の検査のために病院に入った4人の若者たち。それぞれが喜怒哀楽の物語を語り、肉体がぶつかり合う。日本文学から消えて久しい、往年の石原慎太郎を思わせるアクション小説。騒々しくも溌剌とした情感溢れる青春群像。 著者略歴 金 勲【著】 1955 年、吉林省生まれ。朝鮮族。延辺大学朝文系、北京映画学院戯曲科卒業。中国少数民族作家学会常務理事。72 年デビュー。中・短篇小説『青春舞台』『母の秘密』などのほか、多くの戯曲、テレビドラマ・舞劇脚本を書き『金勲脚本選』がある。ほかにドラマ脚本『蒲公英』、新劇『忘却の人々』、大規模の舞踊劇『天地の仙女』など。中国少数民族文学賞、中国新劇振興賞、中国少数民族脚本優秀賞、全国舞劇創作優秀賞、中国少数民族新劇銀賞などを受賞。 時松 史子【翻訳】 1956 年生まれ。成城大学卒業、お茶の水女子大学大学院博士前期課程修了。中国語教授・通訳・翻訳に携わり、翻訳業務では会社諸規約・著作権関係条例・薬事法などのほか、ドラマ・ドキュメンタリーフィルムの字幕や映画ノベライズ作品などを手がける。訳書に『僕の恋、彼の秘密』(竹書房)など。
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西湖詩篇
¥440
ISBN: 978-4-7987-0116-5 内容紹介 「もしもあなたが月ならば 私はあなたを映す深い淵になりたい」。中秋の夜、月光と輝く湖面の天地が溶け合う情景の中に、恋人への思いを詠んだ「三潭印月」など、唐代の漢詩の伝統を思わせる叙景描写に、深い情感を込めた4つの詩篇。 著者略歴 盧 文麗【著】 1968 年、浙江省生まれ。杭州日刊新聞グループ《都市週報》副編集長。著書に『比類ない美しい景色』『親愛なる火炎』『砂時計の舞踊』『やさしい村落』など。ほかに『西湖印象詩100』などの詩集や散文作品がある。浙江省優秀文学作品賞、第2 回中国女性文学賞を受賞、浙江省人民政府の魯迅文芸賞候補となった。 佐藤 普美子【翻訳】 お茶の水女子大学文教育学部卒業、同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。 博士(人文科学)。現在、駒澤大学総合教育研究部教授。翻訳に「中国伝統詩に探る現代詩の鉱脈—廃名の新詩観—」(孫玉石)、「伯牛、疾有り」(馮至)、「桃畑」(廃名)、「祝宴の後」(沈櫻)、「天河撩乱—薔薇は復活の過去形—」(呉継文)がある。
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エマーソンの夜
¥440
ISBN: 978-4-7987-0117-2 内容紹介 エマーソンと名づけた台風の夜に一人の女が独白を始める。父親が汚職に巻き込まれたため、やむを得ず恋人を罪に追いやった女友達の死。私が語るその真相。政治の季節が終わった後、都市生活を享受し始めた人々の倦怠感に彩られた愛。 著者略歴 蘇 徳【著】 1981 年、上海生まれ。華東師範大学中国語中国文学部卒業。「80 後」(1980年代に生まれた世代)を代表する女性作家。2001 年から小説を発表、長編作品『レールの上の愛情』『卒業以後、結婚以前』、中短篇小説集『私の荒涼とした額に沿って』『もしものこともなく』などがある。08 年上海市作家協会第一期作家マスタークラスを卒業。09 年8 月から10 月までアイルランドのコーク市にライター・イン・レジデンスとして滞在、コーク大学にて講演「孤独と叛逆—中国青年作家群像—」を行う。 桑島 道夫【翻訳】 1967 年生まれ。広島大学文学部卒業。94 〜96 年、華東師範大学留学後、東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。現在、静岡大学人文学部准教授。専攻、中国近現代文学、日中比較文学文化。訳書に『上海ベイビー』(衛慧)、『雲上的少女』(夏伊、共に文藝春秋)など。06〜07年、清華大学にて在外研修。第一回東アジア文学フォーラムで逐次通訳、作品翻訳を担当。
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河合隼雄 物語を生きる
¥3,740
ISBN: 978-4-901510-94-3 内容紹介 昔話の研究から、明恵の夢の分析、そして『とりかへばや物語』『源氏物語』論へ。宗教と科学の接点に立ち、東洋と西洋の根源的な理解を目指した、日本人初のユング心理学者・河合隼雄の稀有で壮大な物語。 目次 はじめに 序 章 新たな物語のはじまり 1 慎重な基礎作業 2 昔話を講義する 第一章 西洋の昔話の研究 1 グリム童話を素材に 2 母性の二つの側面 3 「怠け」の意味 4 心の相補性 5 いばら姫の眠り 6 トリックスター、ヨハネスの働き 7 王子のイニシエーション 8 「なぞかけ姫」と「なぞ解き姫」 9 女性の心の中のアニムス 10 個性化の過程は一般化できない 11 日本人の意識構造 第二章 日本の昔話の特色 1 日本の昔話に挑む 2 あわれの感情 3 山姥の両面性 4 鬼の笑いとは何だったのか 5 きょうだいの結合 6 日本人の抱く二つの女性像 7 異類女房譚 8 東西の「手なし娘」の話 9 ユングの四位一体説の応用 10 「炭焼長者」の意志する女 11 片側人間の悲劇 第三章 さまざまな知的冒険 1 科学主義を超えて 2 無意識の科学の確立を目指して 3 夢と転移 4 トランスパーソナルとニューサイエンス 5 たましいのはたらき 6 共時性の現象 7 死と臨死体験をめぐって 8 イスラーム神秘主義と「意識のスペクトル」 9 自然(ネイチャー)と自然(じねん) 10 心理療法は宗教と科学の接点にある 第四章 仏教への関心 1 菩薩とマンダラ 2 阿闍世物語と十牛図の検討 3 明恵『夢記』との出会い 4 日本人と夢 5 明恵の生きた時代 6 捨身と再生 7 耳を切る 8 明恵の意識の変遷 9 明恵と女性たちとの関係 10 華厳の教えの夢 第五章 物語と人間の科学 1 現代作家たちとの交流 2 物語の意味 3 『とりかへばや』の筋書き 4 多様なイメージと読みを与える構造 5 物語論の展開 6 『源氏物語』を読み直す 7 紫式部という女性の物語 8 「父の娘」 9 光源氏の変貌と紫マンダラ 10 宇治十帖における女性の生き方の追求 11 物語の冒険 終 章 物語を生きる あとがき 人名索引 著者略歴 大塚 信一【著】 1939年、東京に生まれる。63年、国際基督教大学卒業。同年、株式会社岩波書店入社。雑誌『思想』編集部をスタートに、岩波新書(青版・黄版)、「岩波現代選書」「叢書・文化の現在」「新講座・哲学」「河合隼雄著作集」など数々のシリーズ・講座・著作集を世に送る。また84年、編集長として季刊誌『へるめす』(編集同人:磯崎新、大江健三郎、大岡信、武満徹、中村雄二郎、山口昌男)を創刊、学問・芸術・社会にわたる知の組み換えと創造を図る。97年〜2003年、代表取締役社長。現在、つくば伝統民家研究会(古民家再生コンサルティング、古材等販売)代表、社会福祉法人日本点字図書館理事、東アジア出版人会議理事。著書に『理想の出版を求めて‐一編集者の回想1963-2003』『山口昌男の手紙?文化人類学者と編集者の四十年』『哲学者・中村雄二郎の仕事?<道化的モラリスト>の生き方と冒険 』『河合隼雄 心理療法家の誕生』(いずれもトランスビュー)がある。