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イリーナの帽子 中国現代文学選集

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ISBN: 978-4-7987-0111-0

内容紹介
鉄凝(ティエ・ニン)、莫言(モー・イェン)ら中国の代表的現代作家の自選作品集。5つの短編、1つのエッセイ、1つの詩篇を、作家別6分冊に収める。中国の人々の喜怒哀楽や生活の実像、人物像を描き出す。解説=島田雅彦。

目次
【収録作品】

『イリーナの帽子』   鉄 凝[著]  飯塚容[訳]
飛行機の中でふと目にした子連れの人妻と男のささやかな戯れ、大胆にトイレに消えてゆく二人の男、スタイリッシュな叙述と微笑を誘う比喩を駆使してありふれた日常の断面を鋭く切り取る。あまりにも鮮やかなラストシーン。

『犬について、三篇』  莫 言[著]  立松昇一[訳]
土俗的、神話的な作品を生み出す現代中国の代表的な作家の、諧謔にみちたエッセイ。犬は何でもわかっているが、容易に心の内を明かさず馬鹿な振りをしている。さまざまな犬たちとそれに関わる体験が、苦い笑いを醸し出す。

『賀家堡・塀を作る』  石舒清[著]  水野衛子[訳]
罪深い思いから孫を出家させようとする一族の長老、楊万生の話(「賀家堡」)。一家で果樹園の塀を作っているとき、誤って子供を死なせた男のとった行動とは(「塀を作る」)。回族の生活習慣に題材をとった不思議な味わいの2篇。

『喜怒哀楽』      金 勲[著]  時松史子[訳]
腫瘍の検査のために病院に入った4人の若者たち。それぞれが喜怒哀楽の物語を語り、肉体がぶつかり合う。日本文学から消えて久しい、往年の石原慎太郎を思わせるアクション小説。騒々しくも溌剌とした情感溢れる青春群像。

『西湖詩篇』      盧文麗[著]  佐藤普美子[訳]
「もしもあなたが月ならば 私はあなたを映す深い淵になりたい」。中秋の夜、月光と輝く湖面の天地が溶け合う情景の中に、恋人への思いを詠んだ「三潭印月」など、唐代の漢詩の伝統を思わせる叙景描写に、深い情感を込めた4つの詩篇。

『エマーソンの夜』   蘇 徳[著]  桑島道夫[訳]
エマーソンと名づけた台風の夜に一人の女が独白を始める。父親が汚職に巻き込まれたため、やむを得ず恋人を罪に追いやった女友達の死。私が語るその真相。政治の季節が終わった後、都市生活を享受し始めた人々の倦怠感に彩られた愛。

『中国現代文学選集解説 我らが隣人の日』  島田雅彦[著]

著者略歴
島田 雅彦【著】
1961年生まれ。83年、「優しいサヨクのための嬉遊曲」でデビュー。84年、『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、92年、『彼岸先生』で泉鏡花文学賞受賞。著書は『無限カノン3部作』(『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』)ほか多数。現在、法政大学国際文化学部教授。中国・韓国の作家たちと親しく交流し、日中韓東アジア文学フォーラム2010in北九州の代表を務める。

鉄 凝【著】
1957 年、北京生まれ。75 年デビュー。河北省作家協会主席、中国作家協会副主席歴任の後、茅盾、巴金の後を継いで2006 年に作家協会主席に選出された。魯迅文学賞をはじめとして国家指定主要文学賞を6 回、各文芸誌の文学賞を30 回余り受賞。長編の代表作に『薔薇の門』『大浴女』、中短篇作品に『おお、香雪』『十二夜』『赤い服の少女』『向かい側』など。主要作品は英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、日本語、韓国語、スペイン語、デンマーク語、ノルウェー語などに翻訳されている。邦訳に『大浴女 水浴する女たち』『棉積み』『第八曜日をください』など。

莫 言【著】
1955 年、山東省生まれ。解放軍芸術学院文学科卒業、北京師範大学魯迅文学院修了。81 年デビュー。故郷を背景に、性欲、物欲、残酷性など人間の醜い内面を時には残酷に、時には敍情的に描く。86 年発表の『赤い高梁』が張芸謀監督によって映画化され、同年のベルリン映画祭で黄金熊賞を受賞。主な作品に『酒国』『豊乳肥臀』『白檀の刑』『四十一炮』『転生夢現』など。主要作品はフランス、ドイツ、日本、韓国など各国で翻訳され、国内の文学賞のほか、台湾の聯合報文学賞、フランス文化芸術勲章シュバリエ賞、イタリア・ノニーノ国際文学賞、福岡アジア文化賞大賞などを受賞。

石 舒清【著】
1969 年、寧夏・海原県生まれ。回族。寧夏作家協会主席。短篇『水の中のナイフ』で小説選刊賞と第2 回魯迅文学賞を受賞。短篇『清潔な日』『たそがれ』でそれぞれ第7 回、第8 回十月文学賞を受賞。短篇『果実の庭』で第3 回人民文学賞を受賞。『苦土』『陰の力』でそれぞれ第5 回、第8 回の全国少数民族駿馬賞を受賞。作品はフランス語、日本語、ロシア語に翻訳されている。

金 勲【著】
1955 年、吉林省生まれ。朝鮮族。延辺大学朝文系、北京映画学院戯曲科卒業。中国少数民族作家学会常務理事。72 年デビュー。中・短篇小説『青春舞台』『母の秘密』などのほか、多くの戯曲、テレビドラマ・舞劇脚本を書き『金勲脚本選』がある。ほかにドラマ脚本『蒲公英』、新劇『忘却の人々』、大規模の舞踊劇『天地の仙女』など。中国少数民族文学賞、中国新劇振興賞、中国少数民族脚本優秀賞、全国舞劇創作優秀賞、中国少数民族新劇銀賞などを受賞。

盧 文麗【著】
1968 年、浙江省生まれ。杭州日刊新聞グループ《都市週報》副編集長。著書に『比類ない美しい景色』『親愛なる火炎』『砂時計の舞踊』『やさしい村落』など。ほかに『西湖印象詩100』などの詩集や散文作品がある。浙江省優秀文学作品賞、第2 回中国女性文学賞を受賞、浙江省人民政府の魯迅文芸賞候補となった。

蘇 徳【著】
1981 年、上海生まれ。華東師範大学中国語中国文学部卒業。「80 後」(1980年代に生まれた世代)を代表する女性作家。2001 年から小説を発表、長編作品『レールの上の愛情』『卒業以後、結婚以前』、中短篇小説集『私の荒涼とした額に沿って』『もしものこともなく』などがある。08 年上海市作家協会第一期作家マスタークラスを卒業。09 年8 月から10 月までアイルランドのコーク市にライター・イン・レジデンスとして滞在、コーク大学にて講演「孤独と叛逆—中国青年作家群像—」を行う。

飯塚 容【翻訳】
1954 年、札幌生まれ。東京都立大学大学院修了。中央大学文学部、同大学院文学研究科教授。専門は中国近現代文学、および演劇。著書(共著)に『規範からの離脱—中国同時代作家たちの探索—』『現代中国文化の光芒』など。訳書に余華『活きる』、高行健『霊山』、鉄凝『大浴女』、蘇童『碧奴』などがある。

立松 昇一【翻訳】
1948 年生まれ、東京都立大学大学院中退、大学在学中に郁達夫の存在を知り、中国現代文学に興味を持つ。現在は『中国現代文学』(ひつじ書房)の同人として莫言や蘇童などの小説の翻訳や紹介を行なっている。拓殖大学教授。論文に「郁達夫文学の一側面」、「張資平への言説をめぐって」、翻訳に「疫病神」「月光斬」(共に莫言)、「泥棒」(蘇童)などがある。

水野 衛子【翻訳】
1958 年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。95 年より中国映画の字幕翻訳、99 年より東京国際映画祭の通訳などに携わる。2008 年、第1 回東アジア文学フォーラムの記者会見通訳を務める。訳書に『中国大女優の自白録』(文藝春秋)、『ジャスミンの花開く』(日本スカイツリー)など。著書に『中華電影的中国語』(キネマ旬報社)ほか、共著に『中国語プロへの道』(大修館書店)など。現在、早稲田大学文学芸術院非常勤講師。

時松 史子【翻訳】
1956 年生まれ。成城大学卒業、お茶の水女子大学大学院博士前期課程修了。中国語教授・通訳・翻訳に携わり、翻訳業務では会社諸規約・著作権関係条例・薬事法などのほか、ドラマ・ドキュメンタリーフィルムの字幕や映画ノベライズ作品などを手がける。訳書に『僕の恋、彼の秘密』(竹書房)など。

佐藤 普美子【翻訳】
お茶の水女子大学文教育学部卒業、同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。 博士(人文科学)。現在、駒澤大学総合教育研究部教授。翻訳に「中国伝統詩に探る現代詩の鉱脈—廃名の新詩観—」(孫玉石)、「伯牛、疾有り」(馮至)、「桃畑」(廃名)、「祝宴の後」(沈櫻)、「天河撩乱—薔薇は復活の過去形—」(呉継文)がある。

桑島 道夫【翻訳】
1967 年生まれ。広島大学文学部卒業。94 〜96 年、華東師範大学留学後、東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。現在、静岡大学人文学部准教授。専攻、中国近現代文学、日中比較文学文化。訳書に『上海ベイビー』(衛慧)、『雲上的少女』(夏伊、共に文藝春秋)など。06〜07年、清華大学にて在外研修。第一回東アジア文学フォーラムで逐次通訳、作品翻訳を担当。

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