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演習・死の哲学

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ISBN: 978-4-901510-07-3

内容紹介
「死ねばみな終わり」と「死ぬまでは一生懸命生きる」という二つの考え方に、老い・ターミナル・ケア・臓器移植などを絡めて、具体的に、徹底的に考察する。
 現代の死についての考え方を総点検する、より良き死を選ぶための総合演習。

目次
はじめに

第一章 死は人生に意味を与えるか
死を考える/「死んでしまえばみな終わり」/人生の意味と目的/人生における死の位置/死後に消えていく人生の価値/救済の物語/物語の道具立て/死のタブー化と死のポルノグラフィー化/「死ぬまで一生懸命生きる」/死の物語/死を語ることの「ブーム」

第二章 何が生き、何が死ぬのか
生命と個体/生命と物質/機能としての生命/生物学と生・死/個体と臓器−「三徴候死」の二義性/生命の「分解」/「脳死」説が開くもの/さまざまなレベルの生と死/「私」の投影と生の連続/物質の不死性/生命機能を生み出す「情報」/生と死の入れ子としての「生物」

第三章 老いの延長としての死
死と老いの結びつき/活動力の漸次的減少と決定的消滅/敗北と引退/老いの被保護性/老いと死の必然性と「あきらめ」死観/解放としての死と惚け

第四章 逝く人との関わり
「死ぬ」場所としての病院/病院への不満/ターミナルケア−「生への生」と「死への生」/関わりの多様性/未来と将来、自我の強さ/生のあらたなイメージ/家で死なない、死なせない理由/生きる場所としての家/がん告知/死を「おまかせ」する

第五章 死の社会的意味づけと決定
社会集団の出来事としての死/死の「私事」化・「家事」化/バイオエシックス的状況/自己決定原則/決定する「人格」/決定されるだけの者/決定したくない我々/死後の意味づけ

第六章 社会を生かす死
死はプロセスである−「局面としての死」と「交錯としての死」/「死の社会的意味づけ」再考/死の「経験」と集団の「主体化」/集団の「主体化」にとっての死の特権性/戦争態という主体化/「家族の危機」/「抗議の自殺」/終末論の誘惑

第七章 死とコンテクスト
よき死の探求としての「闘病記」/死の物語の流れの双方向化/私の死の物語/主体化としての死の物語の語り/物語とコンテクスト/コンテクストの絶えざる変容としての主体化/コンテクストの変容可能性と「他者」/死を前にしたコンテクストの変容/死ぬことの「予行演習」/変容可能性を語りたい時代/死ぬこととはどういうことか

あとがき

著者略歴
木村競【著】
1956年東京都生まれ。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。1992年より茨城大学教育学部に勤務。専攻は哲学・倫理学。人間の活動や様々な事象の動態についての理論が考察テーマ。
著書に、『ドイツ観念論前史』(共著・弘文堂)など。論文に「習慣の契機としての「定型化」と「変化」」「変化の理解」(共に日本倫理学会編『倫理学年報』)、「洗練論の構想」「文化の目的論」(共に『茨城大学教育学部紀要』)など。

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