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ISBN: 978-4-901510-40-0
内容紹介
大事なことを正しく考えれば惑わされない、迷わない。
「常識」「社会」「年齢」「宗教」「魂」「存在」のテーマで行われた6つの連続講義。
生と世界の謎を探求する、明晰で感動的な人生論。大勢を前に肉声で語った唯一の本。
目次
1.常識—生死について
処世訓よりもっとずっと大事なこと
根本にある、ある謎
人生を見直す視点
常識とは何か
当たり前を生きる強さ
なぜ生きて死ぬのか
存在の謎に気づく
人生の見方が逆転する
人の死は悲しいだけではない
一期一会ということ
死ぬのに死なない私
問うている私とは誰か
人生を公式で考える
言葉の問題
ライフプランという枠
たかが人生という覚悟
覚めてみる夢
真面目に考えると冗談になる
2.社会—その虚構を見抜く
「国家」はどこにあるか
「思い込み」と「作りごと」
戦争はなぜ最大の愚行なのか
社会と個人は対立しない
私は本当は「日本人」ではない
お金というフィクション
会社のせいにはできない
血縁の考え方
親子という不思議
「あそこんちの晶子は非常に変わり者だ」
「世間」という名の自己規制
「皆」と「世論」は内容がない
虚構と自覚して生活する
心理的な落とし穴
愛と孤独は同じもの
理想の共同体
社会革命ではなく精神の革命を
3.年齢—その味わい方
アンチエイジングの浅薄さ
鶴亀だって年をとる
隠居・長老はなぜいなくなったのか
「ピンピンコロリ」とはいかない
人生の皮肉
年齢とは自分を越えた何ものかである
経験の意味
形而中の味わい
過去はどこにあるのか
物語化したいという欲望
中年期以降の楽しみ
「時熟」は蜜の味がする
内省する習慣
思索の合わせ鏡の構造
なぜ歴史が面白くなるのか
意識の歴史としての宇宙史
ボケていく私
4.宗教—人生の意味
宗教はいかがわしいか
本物・偽物の見分け方
なぜ宗教は求められるのか
一神教とは何か
神の超越性のパラドックス
一神教の限界
禅の面白さ
自分の意志で生きているのではない
信じる宗教から気がつく宗教へ
科学的般若心経の間違い
論理では語り得ないもの
救いが問題にならない世界
自分は何ものでもないという原点
本当の大安心とは色即是空の意味
宗教はメタファーである
解脱に逢うては解脱を殺せ
お釈迦様は本当に覚ったか
意味が崩れてゆく一休さんの人生
5.魂—自己性の謎
哲学の向こう側
私の嗜好はどこから来たか
魂という言葉のイメージ
心理学における魂
ユングの語り方
エゴとセルフ
「胡蝶の夢」
魂はそれ自体が宇宙である
アニミズムとしての唯魂論
自我という錯覚
ヘラクレイトスの断片
不気味な科学的アニミズム
キャラクターの不思議
「運命は性格にあり」
俗流・亜流はなぜつまらないか
魂の声を聞くのは難しい
輪廻転生という根強い型
語りの水平方向と垂直方向
カルマの物語に巻き込まれないために
実体ではなく関係性
元型としての神話を超えて
ピュタゴラスの悪口を言うヘラクレイトス
プラトンの苦心
物語という形式を自覚して生きる
6.存在—人生とはなにか
いよいよ人間が崩れてきた
ネット社会の悪弊
脳ブームと痴呆化
多勢に無勢
無意識がカタストロフを望む
自分さえ善ければという生き方
「欲をかくな」が通じない
大きな捉え方としての「時代精神」
現代の時代精神とは
宇宙史における不可知のX
語りのさまざまなレベル
謎を生きているという自覚
池田は死ぬが私は死なない
縁起と空
言葉は沈黙を伝える
死者の言葉
無へ語りかける
若い人は勘がいい
十七歳の読者からの手紙
「メビウスの帯」
垂直的な精神
人生を可能な限り深く味わいたい
著者略歴
池田 晶子【著】
1960年生まれ。慶應大学文学部哲学科卒業。専門用語による「哲学」についての論ではなく、哲学するとはどういうことかを日常の言葉を用いて示し、多くの読者を得る。
著書に『14歳からの哲学‐考えるための教科書』『あたりまえなことばかり』『人生のほんとう』(トランスビュー)『新・考えるヒント』『睥睨するヘーゲル』『オン!—埴谷雄高との形而上対話』(講談社)『41歳からの哲学』『帰ってきたソクラテス』『悪妻に訊け』『さよならソクラテス』(新潮社)『考える人—口伝西洋哲学史』(中央公論新社)『考える日々』『考える日々Ⅱ』『考える日々Ⅲ』(毎日新聞社)『事象そのものへ!』『魂を考える』(法藏館)など多数。
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